現地時間４月29日に行なわれたチャンピオンズリーグ（CL）準決勝の第１戦、パリ・サンジェルマンがアーセナルを１-０で下し、２度目の決勝進出に一歩前進している。

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　アーセナルの本拠地エミレーツでの一戦は開始から４分で動き、ドリブルで敵陣に進入したウスマンヌ・デンベレが左のフビチャ・クバラツヘリアに展開し、ペナルティーエリア内でリターンを受けると、左足のダイレクトシュートがゴール右ポストを叩きながらゴールネットを揺らす。その後もパリSGは再三決定機を迎えるも決めきれず、しかし、ピンチの際にはGKジャンルイジ・ドンナルンマをはじめ守備陣の奮闘でこれをしのぎ切り、最後までリードを守ってみせた。

　UEFA（欧州サッカー連盟）の公式サイトは、「パリSGは多くのポジティブな側面を披露。電光石火のスタートでアーセナルを完全に混乱させ、ホームチームが主導権を握った場面では耐え抜いた。何より印象的だったのは、後半における見事な試合運びで、巧みにボールを保持し、相手の勢いを抑え込んだ。アーセナルにとっての救いは、失点差が小さく、十分に巻き返せる範囲であることだが、次週水曜日のパルク・デ・プランスでの戦いがいかに厳しいものになるか、彼らは承知しているはずだ」と、試合を総括している。
  　重要な初戦を敵地で制したパリSGに対し、母国フランスの日刊紙『LE FIGARO』は、「ルイス・エンリケ監督の狙いは、自分たちの強みを活かし、弱点を隠すこと。そして火曜日の試合では、まさにそれが実現した。中盤では、ジョアン・ネベス、ヴィチーニャ、ファビアン・ルイスの３人が明確にアーセナルを上回った。特にJ・ネベスには非常に高い評価が与えられる。F・ルイスは前半に素晴らしいパフォーマンスを発揮し、ヴィチーニャも最近の批判を黙らせる働きをした」と、自国チームを称賛した。

　そしてアーセナルに対しては、「アーセナルは試合前、やたらと自信を見せていた。まるで、これまで『二番手』として扱われてきた彼らが、運命を変えようとしているかのようだった。その筆頭がミケル・アルテタ監督で、『我々がCL優勝の本命だ』とまで言い切っており、その自信はもはや、傲慢さに近いものがあった。しかし、その発言に見合う結果を出せたかというと疑問が残る。問題は、彼らが試合に本格的に入るまでに20分もかかってしまったことだ」と、皮肉をまじえて、その敗北を振り返っている。

　ただ、同メディアは今回の勝者にも厳しい視線を向け、「終盤に絶好機を迎えるも、ブラッドリー・バルコラのシュートは枠外、ゴンサロ・ラモスはクロスバーを叩いた。これが後々、大きな代償を伴うかもしれない。アストン・ヴィラとの準々決勝を思い出してほしい。第１戦でヌーノ・メンデスが終盤に決めた３点目（試合のスコアは３－１）が、２戦合計スコアでの突破を可能にした。第２戦では２-３で敗れており、あの第１戦での１点によって準決勝へ進めたのだ。その意味で、今回のミスが悔やまれることにならなければ良いが……」と懸念を示した。