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海外サッカー

「ドラマとダイナミクスは不変」 サッカーにおける究極の心理戦「PK」の魅力を英紙が考察!「成功率は75~80%でバランスは保たれている」

THE DIGEST編集部

2025.07.24

2006年ワールドカップのドイツ対アルゼンチン戦、このドイツの守護神レーマンは「メモを見る」という行為で相手にプレッシャーをかけた。(C)Getty Images

2006年ワールドカップのドイツ対アルゼンチン戦、このドイツの守護神レーマンは「メモを見る」という行為で相手にプレッシャーをかけた。(C)Getty Images

 現在、スイスで開催されている女子サッカーのEURO2025は決勝を残すだけとなったが、準々決勝では2つの印象的なPK戦が話題となった。

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 ドイツがフランスを抑えてベスト4入りを果たした一戦では、両チーム1人ずつが失敗し、サドンデスの2人目で決着。一方、イングランド対スウェーデン戦も両チーム14人がキッカーを務めたが、こちらは成功したのがわずか5人で、3人が決めた(つまり4人が失敗)前者が何とか次ラウンドへ駒を進めている。

 これを受け、英国の日刊紙『The Guardian』は「サッカーは変わってきたが、PK戦のドラマとダイナミクスは変わらない。EUROでの2つのPK戦は、なぜこのドラマティックなタイブレーカーがサッカーの魅力的な一部として残るのかを示している」と綴り、この「12ヤード(約10.97メートル)の勝負」について考察した。

 イングランド対スウェーデン戦のPK戦の後、女子サッカーではしばしば指摘されるピッチの広さの問題が再び取り上げられ、「ペナルティースポットをゴールに近づけるべきだ」という声もあったようだが、同メディアは「それはもちろんナンセンスである。成功した5本のうち4本は素晴らしかったし、ドイツ対フランス戦は14本中11本が成功している。また、昨季の女子スーパーリーグ(イングランドの女子最上位リーグ)では、PKの成功率は90.32%に達している」と主張する。
 
 同メディアは、この「12ヤード」の距離が絶妙であるとして、「1891年に決定されたこの距離が、サッカーの大きな魅力のひとつとなっている。ペナルティーエリアのサイズや形が変わっても、ペナルティースポットの位置は変わっていない。ゴールポスト間の1.5倍ほど離れた位置にあることが、公平でバランスの取れたシナリオを生み出しているのだ」と綴り、以下のように続けた。

「これは慣れによる部分もあるかもしれないが、サッカーの歴史の中で、ほぼ全てのレベルにおいて、全PKの約4分の3が成功している。ジュニアレベルであっても、ストライカーのパワーや技術の不足と、GKの(身体の)サイズの不足が相まって、一定の競争が持続されているのである」

 今大会ではドイツ対フランス戦を前に、29本放たれたPKのうち12本しかゴールネットを揺らさず、この11本が決まった一戦の後でも、成功率は「41.38%」から「57.14%」への伸びに止まっているが、これについて同メディアは心理面での「伝染性」を指摘。今大会ではノルウェーの元バロンドール受賞者であるFWアーダ・ヘーゲルベルクが2度もPKを外している。
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