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海外サッカー

オーナーにクラブの売却を命じる権限も! 英国で成立した「フットボール・ガバナンス法」によって同国サッカー界を「監視・管理」する強力な機関が始動

THE DIGEST編集部

2025.07.24

プレミアリーグと下部リーグの収入格差の大きさなど、英国サッカー界で指摘される構造の問題にIFRが取り組む。(C)Getty Images

プレミアリーグと下部リーグの収入格差の大きさなど、英国サッカー界で指摘される構造の問題にIFRが取り組む。(C)Getty Images

 世界をリードするイングランド・サッカーに大きな動きがあった。10年以上にわたって議論されてきた法案である「フットボール・ガバナンス法」が7月21日に王室の裁可を受けて正式に成立し、今年の後半には独立したサッカー規制機関「IFR(Independent Football Regulator)」が業務を開始することになったのである。

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 この新たな法律は、サッカーをひとつの経済活動として監視・管理するためのもので、IFRは男子サッカーの上位5部リーグを対象に、クラブ運営の持続可能性とファンに対する説明責任の確保を目的として活動することになる。スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』によると、この機関に与えられる権限は以下の通り。

・サッカー全体の持続可能性を高めるための厳格な新しい財務規制
・クラブオーナーおよび取締役に対する法的根拠のある適格性テストの強化(不適格なオーナーに対しては売却を命じる権限も有する)
・クラブの意思決定におけるファン参加の新たな基準
・閉鎖型リーグや離脱リーグ(スーパーリーグなど)への参加禁止措置
・リーグ間での公平な財政分配を実現するための権限
・クラブの伝統的要素(ホームユニホームの色、エンブレム、スタジアム移転など)に対する法的保護
 
 今月初めに下院を通過。第三読会では「賛成415票・反対98票」で可決された法案により、IFRは今後即時に活動を開始し、18か月以内にイングランド・サッカー界全体の現状を分析した包括的な報告書を提出することが求められている。この中には、問題点の明示とともに、クラブ、オーナー、リーグ、サッカー協会が従うべき具体的な指針も含まれる。

 クラブに対して「ライセンス」付与・拒否を決定する任を帯びているということは、つまりクラブはこの新たな機関が認可しない限り、公式な活動を行なうことができないということであり、非常に大きな権限を有していることが分かるだろう。
 
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