このように、データでも優勝候補の筆頭に挙げられたバルサ。プレシーズンマッチやコモと争ったジョアン・ガンペール杯でも好調ぶりを披露しており、スーパーコンピューターの見立ては納得のいくものとなっている。財政的には相変わらず苦しい状況で、主な補強はGKジョアン・ガルシア、レンタルのマーカス・ラッシュフォードぐらいに止まったものの、それでも充実の陣容を誇っている。

　マドリードのスポーツ紙『MARCA』によれば、ハンジ・フリック監督は「プレシーズンで選手たちが好調なパフォーマンスを発揮したがゆえ」に、右SB（ジュール・クンデがリードしているがエリック・ガルシアも有力なオプション）、CB（パウ・クバルシは不動だが、もう一角をアンドレアス・クリステンセンとロナルド・アラウホが争う）、そして特にトップ下（ガビ、フェルミン・ロペス、ダニ・オルモの争い）の人選に迷うという「贅沢な悩み」を抱えている。
  　対抗馬のマドリーは、WSGチロルとのプレシーズンマッチに４-０の快勝。対戦相手と実力差があったとはいえ、『MARCA』紙は「フィニッシュやチャンスメイクにたびたび絡み、気合も十分で、左足の技術がエレガントに輝いた」新ボランチのアルダ・ギュレル、２ゴールを挙げて「10番でも、９番でも、７番、11番でも対応できる」と証明したエースのキリアン・エムバペらの好プレーを、最終準備における収穫に挙げている。

　すでに十分な強さを備えたチームに熟成を加えようとしているバルサは、マジョルカとのアウェーマッチ、新生チームとして大いに可能性を感じさせるマドリーはオサスナを本拠地サンチャゴ・ベルナベウに迎えて、それぞれ新シーズンに突入する。このライバル対決がリーガ、さらには欧州の舞台でも覇権の行方を決するものとなるのか、要注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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