一方、グループステージで日本が対戦して２-１の勝利を飾り、３位決定戦で再び顔を合わせることになったメキシコのメディア、日刊紙『EXCELSIOR』は「両者ともに得点機の乏しい一戦でアセンシオがバランスを崩した。メキシコは銅メダルを懸け、開催国に対して復讐する機会を得た」と、1968年メキシコシティ大会の因縁（３位決定戦で対峙して日本が勝利）に言及している。

　専門メディアの『Soy Futbol』は久保を取り上げ、「日本のスターが絶好のチャンスを逃したことを認めた」と報じ、久保の「サッカーはチームスポーツであり、個人の価値は関係ない。マルコ（・アセンシオ）は交代出場からゴールを決めたので、脚光を浴びるだろう。負けた日本のことは誰もが忘れてしまう。それが現実だ。我々は銅メダルを獲得して母国に喜びをもたらさなければならない。次のワールドカップのことを考えても」とのコメントを紹介した。
  　その他の国では、フランスのスポーツ紙『L’EQUIPE』が「支配的なスペインに対し、日本は崩壊の危機に直面したかに見えたが、決して諦めることなく、全てのプレーで懸命に戦った」、イタリアの専門メディア『OA sport』は「大部分の時間で試合をコントロールしているのはイベリアのチームだったが、アジアのチームは防御を整え、攻撃面でも相手に脅威を与えることができた」、ブラジルの総合メディア『Globo』は「日本は失点の場面以外、スペインの仕掛けのほとんどを無力化した」と、いずれもポジティブに日本を表した。

　最後に、AFC（アジア・サッカー連盟）は公式サイトで、「日本の新たな歴史の創成がスペインによって阻まれた。開催国にとって今大会２度目のPK戦が迫っていた中での、アセンシオの左足シュートは、日本の心を打ち砕いた。メキシコシティ大会から53年間続いたメダルの“欠乏”を終わらせようとしている日本にとっては残酷な打撃だったが、森保監督は３位の座を手にするために、選手たちに最後のプッシュを懸ける必要がある」と綴っている。

構成●THE DIGEST編集部