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日本代表

政治色の強いW杯で選手たちが発信する様々なメッセージ。米メディアは皮肉交え独自の観戦ルールを提言「かつての宗主国ではなく植民地を応援する」

THE DIGEST編集部

2022.11.25

 いつになく、政治的な発言や行動が目立っている今大会だが、こうした動きをFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は西側諸国の「偽善」「価値観の押し付け」だと非難し、我が国のサッカー協会会長、田嶋幸三氏も「今この段階で、サッカー以外のことで色々と話題にするのは好ましくない」「差別や人権の問題は良い方向に持っていきたいが、協会としては、今はサッカーに集中するときだと思っている。他のチームもそうであってほしい」と語っている。

 スポーツに政治を持ち込むことは古くからタブー視されてきており、運営側はその姿勢を今なお崩していないようだが、そういった面でも多様性や自由が尊重されるべきだという意見も主流となりつつある中、果たして何が正しいのか、しっかりと検討されるべき時期に来ていると言えるかもしれない。
 
 このような、複雑な状況下で行なわれているW杯に対し、米国の放送局『CNN』は皮肉やユーモアもまじえて、独自の「観戦ルール」を提言。1つ目は「かつての宗主国ではなく、その植民地を応援する」、2つ目は「自由度のより高い国を応援する」(国際NGO団体フリーダム・ハウスの判定による自由度(100点満点)では、最高は98点のカナダで、最低は14点のイラン。日本は96点)。そして、3つ目は「一人当たりのGDPが低い国を応援する」。

 4つ目からは政治的な見地ではなく、「優勝したことのない国を応援する」「敗北の苦しみを尊重する」というもの。ちなみに、同メディアは「これらのルールは互いに矛盾することが多いため、比較検討する必要があるが、その判断はあなた次第だ」と断り書きを入れている。

 政治的な問題よりも、宿舎の質の問題や物価の高さ、そして土壇場でビールの販売が禁止になったことにより怒りを覚えているという人々も多いという中東初のW杯。最大の注目がピッチ上であることはこれまでと何ら変わりはないが、これまで以上にサッカー以外のことを考えさせられる大会である。

構成●THE DIGEST編集部
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