また同メディアによれば、ガスペリーニ監督がこの「兼任案」に懐疑的であり、ラニエリ自身も、ローマから数か月前に監督としての契約延長のオファーを受けて断っていたにもかかわらず、代表チームで監督を務めることには引け目を感じたようで、最終的に全ての力をローマに注ぐ決断を下したのだという。
この最終決定をロマニスタは大歓迎したことは言うまでもない。アッズーリを早期に再建させられるうってつけの人材として、ラニエリに大きな期待を寄せていた同メディアは、「『裏切り者』などという言葉を使って、代表チームをあたかもクラブのライバルかのように扱う空気。心のクラブであるローマを離れて代表を選ぶことを非難する声。そうした反応が広がる時点で、もう何かが間違っている」と指摘し、以下のように続けた。
「かつては『祖国を捨てる者』が裏切り者と呼ばれたものだが、今や『祖国に尽くそうとする者』がそう呼ばれる。なぜなら今、最も重要視されるのはクラブの利益だからだ。今回の出来事は、まさにその典型だ。同様のケースでは、インテルのフランチェスコ・アチェルビもまた、代表の一員としての責任よりも、個人的なプライドや感情を優先した。しかも相手は、ただの監督ではなくイタリア代表の監督であるスパレッティだった――」
同メディアの不満はラニエリ本人にも向けられ、「彼が『もう監督業はしない』と決めたこと自体は完全に正当な判断である。しかし、ならばもっと早く明確に表明すべきだった。あれほどの経験を持つ彼が、いま代表がいかに危機的な状況にあるかを理解していなかったとは思えない。これはフリードキン家にも同様のことが言える」と、連盟側が彼を信じて監督解任に踏み切った後での翻意に苦言を呈した。
「結果的に彼の行為は、代表チーム全体、ひいてはイタリア・サッカー全体にダメージを与えることになった。このような混乱は、イタリア・サッカー界全体にとってマイナスでしかない。イメージにも傷がつき、簡単には回復できない」とも指摘した同メディアはまた、「優雅な70代の紳士であるラニエリが、『WhatsApp』で連盟会長に辞退を伝えたというのは、どうしても違和感がある。まるで恋人と別れ話ができない若者のようだ」とも付け加えている。
そして気になる今後については、「時間はもうない。ペップ・グアルディオラであろうが、誰であろうが、限られた数試合で自分の戦術を浸透させるのは難しい。選手を知り、チームを整え、試合に備えるには時間が足りない。だからこそ、今必要なのは、戦術よりも『人間的な力』を持った監督だ。チームに喝を入れ、最大限の力を引き出せるような人物が求められる」と、新監督に必要な条件を挙げた。
現時点で候補筆頭はジェンナーロ・ガットゥーゾとされ、条件に近い存在と言えるかもしれない。他にもダニエレ・デ・ロッシ、経験のあるロベルト・マンチーニの名が浮上しているが、いずれにしても「鬼門」であるプレーオフ行きの可能性が高い状況でチームを立て直して自信を植え付けるというのは誰にとっても簡単ではない。
構成●THE DIGEST編集部
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「かつては『祖国を捨てる者』が裏切り者と呼ばれたものだが、今や『祖国に尽くそうとする者』がそう呼ばれる。なぜなら今、最も重要視されるのはクラブの利益だからだ。今回の出来事は、まさにその典型だ。同様のケースでは、インテルのフランチェスコ・アチェルビもまた、代表の一員としての責任よりも、個人的なプライドや感情を優先した。しかも相手は、ただの監督ではなくイタリア代表の監督であるスパレッティだった――」
同メディアの不満はラニエリ本人にも向けられ、「彼が『もう監督業はしない』と決めたこと自体は完全に正当な判断である。しかし、ならばもっと早く明確に表明すべきだった。あれほどの経験を持つ彼が、いま代表がいかに危機的な状況にあるかを理解していなかったとは思えない。これはフリードキン家にも同様のことが言える」と、連盟側が彼を信じて監督解任に踏み切った後での翻意に苦言を呈した。
「結果的に彼の行為は、代表チーム全体、ひいてはイタリア・サッカー全体にダメージを与えることになった。このような混乱は、イタリア・サッカー界全体にとってマイナスでしかない。イメージにも傷がつき、簡単には回復できない」とも指摘した同メディアはまた、「優雅な70代の紳士であるラニエリが、『WhatsApp』で連盟会長に辞退を伝えたというのは、どうしても違和感がある。まるで恋人と別れ話ができない若者のようだ」とも付け加えている。
そして気になる今後については、「時間はもうない。ペップ・グアルディオラであろうが、誰であろうが、限られた数試合で自分の戦術を浸透させるのは難しい。選手を知り、チームを整え、試合に備えるには時間が足りない。だからこそ、今必要なのは、戦術よりも『人間的な力』を持った監督だ。チームに喝を入れ、最大限の力を引き出せるような人物が求められる」と、新監督に必要な条件を挙げた。
現時点で候補筆頭はジェンナーロ・ガットゥーゾとされ、条件に近い存在と言えるかもしれない。他にもダニエレ・デ・ロッシ、経験のあるロベルト・マンチーニの名が浮上しているが、いずれにしても「鬼門」であるプレーオフ行きの可能性が高い状況でチームを立て直して自信を植え付けるというのは誰にとっても簡単ではない。
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