同メディアは、「どうかリーノに、幸運の女神が微笑みますように――」と願いを込めたが、『Gazzetta dello Sport』紙はW杯予選突破がガットゥーゾに示された「絶対条件」だとしたうえで、「新たな指揮官を迎えた以上、サッカー界全体が彼を支え、助けることが不可欠だ。イタリア・サッカーの全関係者が、一丸となって彼をサポートすべきである。もしまた、W杯を逃すようなことになれば、それは我が国のサッカー全体にとっての壊滅的な失敗となるからだ」と指摘した。

　同メディアは、「もちろん、リーノの存在だけでW杯出場が保証されるわけではない。道のりは険しく、障害も多い。『代表チームを愛する気持ち』だけでは、監督を務めるのに不十分なのも事実だ。それでも彼は、選手たちに帰属意識、犠牲の精神、アッズーリへの愛着といった価値観をしっかりと伝えられる人物である。それらは決して軽視できるものではない」と、ガットゥーゾが精神面でチームに変化を与えられると見ている。

「ルチャアーノ・スパレッティ前監督も、軽い痛みを理由に合宿を離脱するような選手たちに対して『代表チームへの情熱が感じられない』と警鐘を鳴らしていたものだが、チーム再建のためにはまず、その『青いユニホームへの情熱』を取り戻すことが必要だ。もちろん、他にも明確な戦術、的確な人選、そしてクオリティーの高い選手といった要素も当然不可欠。そして、そういった選手は実際に存在している。今は選手たちの力を軽視する風潮が強まっているが、それは間違っている」
  　彼のチーム作りや采配については、「リーノのサッカーを『気合いだけ』と思っている者がいるとすれば、それは誤解でしかない。彼のアッズーリは、攻撃的でダイナミック、勇気を持って高い位置からプレスを仕掛け、フォーメーション変更にも柔軟に対応するチームになるだろう。縦へのロングボールではなく、数的優位を作りながら後方からのビルドアップを重視する。そのうえで、テンポ良くボールを動かし、サイドアタッカーやライン間でのプレーに持ち込む」との展望を示した。

　ノルウェー戦での０-３の大敗によって、一気に「尻に火が付いた」状況に陥り、さらに就任確実とされていたクラウディオ・ラニエリの土壇場での辞退により、混乱に拍車がかかっていた感のあるアッズーリだったが、新指揮官の下で落ち着きと、自信とプライドを取り戻すことができるか。47歳の新たな挑戦に要注目である。

構成●THE DIGEST編集部

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