専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外サッカー

智将ペケルマンの教え子たちは貧困層を救う模範に?サビオラらアルゼンチンの“黄金世代”の今に迫る

チヅル・デ・ガルシア

2022.02.22

 そんなサビオラとともに2001年U-20W杯優勝の立役者となった前述のロマニョーリは、2018年に古巣サン・ロレンソで現役を引退した後、同クラブで強化部のマネージャーに就任。昨年6月に一度クラブを離れたが、不振のチームを立て直すプロジェクトに欠かせない存在として復帰。今年から同クラブのレセルバ(サテライトチーム)の監督を務めている。

 ちなみに、ロマニョーリの後任としてサン・ロレンソのマネージャーを任されたのは同じく2001年優勝メンバーのマウロ・セット(39歳)で、かつてU-20代表でともに戦った2人による古巣再建が始まっている。

 14年間イタリアでプレーした後、2018年に引退したニコラス・ブルディッソ(40歳)も、サッカー界で生きている。彼は引退の翌年にボカ・ジュニオルスでマネージャーに就任するも、クラブ幹部の交代によって1年弱で退任。現在はイタリアに拠点を戻し、フィオレンティーナで強化技術部長としての経験を積んでいる。
 
 その他、生まれ故郷にサッカー施設を作ったマウロ・ロサレスや、貧しい子どもたちを対象としたサッカークリニックやトークイベントに参加するアレハンドロ・ドミンゲス(ともに40歳)のように、引退後の肩書きにこだわることなく、自分のできる範囲で社会のためになる行動を起こす者もいる。

 前述のマキシとポンシオは、アマチュアとして地方リーグへの参戦が決定。地元では集客面での貢献も期待されている。年々貧困層が増えるアルゼンチンにおいて、大衆文化であるサッカーを通じて人々の生活を支援する働きは模範的と言っていい。

 ペケルマンから得た学びを、それぞれが異なる形でサッカー界に還元し続ける2001年のカンペオンたち。もしかしたら近い将来、「ペケルマン・ボーイズによる代表再建プロジェクト」に加わるメンバーも出てくるかもしれない。

文●チヅル・デ・ガルシア text by Chizuru de GARCIA

【関連画像】現役時代とどう変わった? サビオラの現在の姿をチェック

【関連記事】「オノはマドリーに行けた!」元フェイエノールト幹部が小野伸二の“黄金期”を回想「常に日本代表に招集されて…」

【関連記事】中田英寿が演出した“伝説のスクデット”に伊メディアが再脚光!「トッティを外した瞬間から魔法を描いた」と絶賛
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号