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日本代表

森保一監督は、いつ「無能の仮面」を外すのか。巷に渦巻く“監督解任論“の是非を問う

清水英斗

2020.12.06

森保監督の戦術的な引き出しは、これから出していくのかもしれない。(C)Getty Images

森保監督の戦術的な引き出しは、これから出していくのかもしれない。(C)Getty Images

 また、メキシコの両サイドバックが内に絞った立ち位置を踏まえるなら、日本は最前線のFWがサイドのスペースに流れ、ロングパスを引き出せば状況を打開できる。だが、それに適した鈴木を南野に代えてしまったので、この点は裏目に出た。

 逆に南野を入れたのなら、運動量を上げてハイプレスで押し返したいところ。だが、両サイドハーフの伊東純也や原口が1対1の局面で深く突っ込みすぎて、老獪な相手に入れ替わりを許し、プレスがかかり切らない。これは毎試合見られる傾向でもある。棍棒で殴るようなプレッシングではなく、真綿でじわじわと締め上げるプレッシングを意識しなければ、悪癖は直らないだろう。
 
 メキシコのような強者と戦ったことで、日本はディテールに様々な甘さが露呈した。そのせいで、交代の狙いは空を切った。だが、個人的には森保監督の采配傾向が今までとは違うものだったことに、正直ホッとしている。ようやく、次のフェーズに入ったのだと。

 今後、メキシコ戦のスピード感で采配を振るつもりならば、チームの変化を、そして、飄々たる無能仮面の素顔を見てみたい。欧州遠征の4試合は納得した。解任云々は今ではない。

文●清水英斗(サッカーライター)

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