専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
Jリーグ・国内

Uberから着想を得たマッチングサービス「Now Do」とは?本田圭佑との二人三脚によるIT活用の成長イノベーションに迫る

手嶋真彦

2019.11.07

本田のビジネスを陰で支えてきた鈴木。優秀なコーチがもっと報われる、未来を見据えている。(C)SOLTILO FAMILIA SOCCER SCHOOL

本田のビジネスを陰で支えてきた鈴木。優秀なコーチがもっと報われる、未来を見据えている。(C)SOLTILO FAMILIA SOCCER SCHOOL

「あの子ができている。自分も頑張ろう。そういう気持ちを子どもたちが持てるのは大事なことだと思います。ですが、大人が土足で踏み込んで、君はできている、君はできていない、できるようにならなきゃダメだと無遠慮に介入してしまえば、その子だけでなく親御さんまで無用な劣等感を抱いてしまいかねません」

 スポーツプログラムは子どもたちのスポーツに対する肯定感を育むための、ある種のツールでもあるはずだ。それなのに余計な比較のせいで劣等感が生じてしまえば、運動やスポーツを嫌がり、苦手になってしまう子どもを増やしてしまいかねないだろう。たしかにそんな逆効果を、みすみす許していいはずがない。

 スポーツプログラムの現場担当者は、ZOZOパークに勤務するソルティーロ ファミリア サッカースクールのコーチなどだ(元ソルティーロのコーチと、なでしこリーグでプレーする現役の選手も担当)。スポーツ以前の運動の基本動作を子どもたちがいかに習得していくか、サッカーの指導を専門としてきたコーチたちにとっても貴重な学びの場としていかなければならない。

「目指しているのは、一見遊ばせているだけなのに、子どもたちは考えている」

 そんなただ楽しいだけではない有益な遊びの時間だ。見守るコーチに求められるのは、具体的なアクティビティ(実質的には「遊び」の延長)ごとの狙いをしっかり掴んでおく本質の理解。その理解を現場で活かし、子どもたちが遊びを通して基礎動作を身につけるサポートを逐一遂行しなければならない。
 
「ただ単に遊ばせているだけのコーチなら改善が必要です。一見遊ばせているだけのようで、実は子どもたちが考えている。そうしたアクティビティが望ましいわけですから」

 アクティビティにスタートとゴールがあるとしよう。単なる遊びに終始してしまえば、ゴールへの辿り着き方はその場限りの偶然にもなりかねない。しかし、子どもなりに考えながら最速でのゴールインを目指せば、その動き方は次も使える選択肢となりえる。そうした選択肢を園児たちが増やしていけるスポーツプログラムであれば、その価値はさらに高くなる。

「これからはコーチも、その指導の良し悪しを評価されていくべきです」

 17年以降はソルティーロ ファミリア サッカースクールの運営から離れている鈴木は俯瞰できるようになった分、なおさらそう考えるようになっている。

「良いコーチが目立って、良いポジションを確立できる。評価の低い指導者は自ら改善を図る。そうした世界を作っていくためには、サッカースクールのコーチも正当な評価のふるいにかけられてしかるべきでしょう。良いコーチが日の目を見て、しっかりとした信念を持ちながら子どもたちと関わっていき、良いチームを作り、良い文化を作っていくところまで行き着かなければ、これまでと何も変わりません。全体的に底上げされて、評価されないままのコーチは淘汰されていく。そういう世界を作っていかないと」

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号