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海外テニス

輝きを取り戻した大坂なおみ、強化されたフィジカルと新戦略を携え5年ぶりに全米オープン準々決勝進出!<SMASH>

内田暁

2025.09.02

新コーチを迎え入れてバージョンアップした大坂なおみが、自信に満ちたプレーで世界3位のガウフを寄せ付けずベスト8に名乗りを上げた。(C)Getty Images

新コーチを迎え入れてバージョンアップした大坂なおみが、自信に満ちたプレーで世界3位のガウフを寄せ付けずベスト8に名乗りを上げた。(C)Getty Images

 この日、最大の「カモーン!」が飛び出したのは、エースでもウイナーでもなく、13本のラリーの末に、相手のショットがネットに掛かった時だった。これは今の大坂にとって、会心のポイントだったことを意味するだろう。

 全米オープンテニス4回戦、大坂なおみ(世界ランキング24位)対ココ・ガウフ(アメリカ/同3位)。大坂が第1セットを6-3で取って迎えた2セット目、第3ゲームを取った瞬間のことだった。

 大坂の武器と言えば、時速200キロに迫る超高速サービスと、全身をしならせ放つ強打との印象が強いだろう。

 だがこの日の大坂は、決して力で相手をねじ伏せようとはしない。高低差のあるショットを左右に打ち分け、ツアー最高レベルの快足を誇るガウフとラリー戦を挑む。ガウフがドロップショットを沈めても、ロブを放とうとも、慌てず追いつき打ち返した。やがてガウフの方が、痺れを切らせミスをする...、そのような光景が、陽光に照らされる青いコートで繰り返された。

 レイバー・デー(米国労働者の日=休日)のセンターコートに組まれ、2万枚超えのチケットが完売となった期待の一戦は、試合時間1時間4分。6-3、6-2のスコアで、大坂の完勝に終わった。
 
「これほど良いプレーができたと感じるのは、いつ以来か?」

 試合後の会見で、勝者にいの一番に向けれたこの問いに、大坂は穏やかな笑みで応じた。

「あなたが見ていたかはわからないけれど、モントリオールの(エレナ・)スビトリーナ戦の時に、すごく良い感触があった。あの試合が、『誰が相手でも打ち合える』と信じられた瞬間だった」

 大坂の言う「スビトリーナ戦」が行なわれたのは、全米オープン開幕の3週間前。その時点で大坂は、かつての自分を取り戻した感覚で、全身を満たしていた。

 今回、世界3位のガウフと戦うに際し、大坂は「明解な戦略」を携えコートに向かっていたという。策を大坂に授けたのは、モントリオールからコーチに就任した、トーマス・ビクトロウスキ氏。元女王イガ・シフィオンテク(ポーランド/同2位)の指導経験を持つ新たな参謀は大坂に、「今まで考えたこともないショット選択を教えてくれている」という。
 
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