世界ランキング1位に君臨するアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)の大会連覇で幕を閉じた今季最後のテニス四大大会「全米オープン」の女子シングルス。そんな今大会で目を見張る活躍を見せた選手の一人が、同大会で過去2度の優勝を誇る27歳の大坂なおみ(元1位/現24位)だ。
今年8月初めの「ナショナルバンク・オープン」(カナダ・モントリオール/WTA1000)で準優勝した大坂は、勢いそのままに今回の全米オープンでも躍進。
1回戦ではグリート・ミネン(ベルギー/同106位)、2回戦ではヘイリー・バプティスト(アメリカ/同47位)をいずれもストレートで破ると、3回戦では元8位のダリア・カサキナ(オーストラリア/同18位)をフルセットで下し、4回戦では23年全米女王で現トップ3のココ・ガウフ(アメリカ/同3位)に完勝。準々決勝では昨年の全米2回戦で敗れていたカロリーナ・ムチョバ(チェコ/同13位)にリベンジし、優勝した21年の全豪オープン以来4年半ぶり、そして23年7月の第1子出産後では初となる四大大会シングルスベスト4進出を果たした。
しかし準決勝では"燃え尽き症候群"から復活し、現地9月6日の決勝でサバレンカに敗れたものの7月のウインブルドンに次ぐ四大大会2大会連続の準優勝を果たしたアマンダ・アニシモワ(アメリカ/同9位)に7-6(4)、6-7(3)、3-6で惜敗。これまで最高峰の四大大会では過去4度、準々決勝以上に進出した場合は全て優勝していた大坂だったが、ついにその"ジンクス"が途切れる形となってしまった。
それでも27歳に悲観の色は一切なかった。試合後の記者会見で大坂は「全てを出し切ったし、悲しい気持ちはない」と前向きにコメント。「むしろもっと練習して、もっと強くなりたいって思わせてくれた」と今後に向けての意欲も口にした。
そんな大坂の快進撃を称えたのが、03年の全米オープンで四大大会初優勝を経験した元世界王者のアンディ・ロディック氏(アメリカ/43歳)だ。このほど自身が運営するポッドキャスト『Served with Andy Roddick』に出演した同氏は、準決勝の試合内容についてアニシモワを称賛しつつ、大坂の敗戦を正当化するようにこう語った。
「相手のプレーが単純に良かった。アニシモワは本当にタフで、どう言い繕ってもその事実は変わらない。そもそも過去5~6年間で彼女が経験してきたことを考えてみてほしい。しかも今大会は先のウインブルドン決勝で0-6、0-6で負けたイガ・シフィオンテク(ポーランド/現2位)にリベンジし、自分のやるべきことに集中していた。そしてナオミ相手にも1セットダウンから食らいついて勝った」
「それを考えれば、ナオミが前向きになれるのは明白だ。彼女はチャンピオンなんだから。それに四大大会の準々決勝以上に進んで負けたのが今回が初めてだなんて、ちょっと信じられない記録だよ」
完全復活を大きく印象付ける上々のパフォーマンスを見せた大坂。課題だったメンタル面でも成長を見せている彼女なら、四大大会の舞台で再び頂点に立つ日もそう遠くはないはずだ。
文●中村光佑
【画像】大坂なおみほか、全米オープン2025を戦う女子トップ選手たちの厳選フォト
【関連記事】大坂なおみ、5年ぶり全米オープン決勝進出ならず!"天敵"アニシモワにフルセットの末に逆転負け<SMASH>
【関連記事】松岡修造氏が全米OP準決勝を熱く解説!「世界一強打」のアニシモワに大坂なおみは「変化のテニスで対抗した」<SMASH>
今年8月初めの「ナショナルバンク・オープン」(カナダ・モントリオール/WTA1000)で準優勝した大坂は、勢いそのままに今回の全米オープンでも躍進。
1回戦ではグリート・ミネン(ベルギー/同106位)、2回戦ではヘイリー・バプティスト(アメリカ/同47位)をいずれもストレートで破ると、3回戦では元8位のダリア・カサキナ(オーストラリア/同18位)をフルセットで下し、4回戦では23年全米女王で現トップ3のココ・ガウフ(アメリカ/同3位)に完勝。準々決勝では昨年の全米2回戦で敗れていたカロリーナ・ムチョバ(チェコ/同13位)にリベンジし、優勝した21年の全豪オープン以来4年半ぶり、そして23年7月の第1子出産後では初となる四大大会シングルスベスト4進出を果たした。
しかし準決勝では"燃え尽き症候群"から復活し、現地9月6日の決勝でサバレンカに敗れたものの7月のウインブルドンに次ぐ四大大会2大会連続の準優勝を果たしたアマンダ・アニシモワ(アメリカ/同9位)に7-6(4)、6-7(3)、3-6で惜敗。これまで最高峰の四大大会では過去4度、準々決勝以上に進出した場合は全て優勝していた大坂だったが、ついにその"ジンクス"が途切れる形となってしまった。
それでも27歳に悲観の色は一切なかった。試合後の記者会見で大坂は「全てを出し切ったし、悲しい気持ちはない」と前向きにコメント。「むしろもっと練習して、もっと強くなりたいって思わせてくれた」と今後に向けての意欲も口にした。
そんな大坂の快進撃を称えたのが、03年の全米オープンで四大大会初優勝を経験した元世界王者のアンディ・ロディック氏(アメリカ/43歳)だ。このほど自身が運営するポッドキャスト『Served with Andy Roddick』に出演した同氏は、準決勝の試合内容についてアニシモワを称賛しつつ、大坂の敗戦を正当化するようにこう語った。
「相手のプレーが単純に良かった。アニシモワは本当にタフで、どう言い繕ってもその事実は変わらない。そもそも過去5~6年間で彼女が経験してきたことを考えてみてほしい。しかも今大会は先のウインブルドン決勝で0-6、0-6で負けたイガ・シフィオンテク(ポーランド/現2位)にリベンジし、自分のやるべきことに集中していた。そしてナオミ相手にも1セットダウンから食らいついて勝った」
「それを考えれば、ナオミが前向きになれるのは明白だ。彼女はチャンピオンなんだから。それに四大大会の準々決勝以上に進んで負けたのが今回が初めてだなんて、ちょっと信じられない記録だよ」
完全復活を大きく印象付ける上々のパフォーマンスを見せた大坂。課題だったメンタル面でも成長を見せている彼女なら、四大大会の舞台で再び頂点に立つ日もそう遠くはないはずだ。
文●中村光佑
【画像】大坂なおみほか、全米オープン2025を戦う女子トップ選手たちの厳選フォト
【関連記事】大坂なおみ、5年ぶり全米オープン決勝進出ならず!"天敵"アニシモワにフルセットの末に逆転負け<SMASH>
【関連記事】松岡修造氏が全米OP準決勝を熱く解説!「世界一強打」のアニシモワに大坂なおみは「変化のテニスで対抗した」<SMASH>