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海外テニス

これ以上望めぬ好カードが実現! ジャパンオープン決勝は第1シードのアルカラス×第2シードのフリッツの頂上決戦へ<SMASH>

内田暁

2025.09.30

第1シードのアルカラス(左)がルードとの激闘を逆転で制し決勝へ。待つのは第2シードのフリッツ(右)。有明で夢の頂上決戦が実現する。写真=滝川敏之

第1シードのアルカラス(左)がルードとの激闘を逆転で制し決勝へ。待つのは第2シードのフリッツ(右)。有明で夢の頂上決戦が実現する。写真=滝川敏之

 大会第1シード対、第2シードの頂上決戦――。2025年のジャパンオープンテニスは、多くのファンにとって、これ以上望めぬ好カードが実現した。しかも第1シードは、世界1位のカルロス・アルカラス(スペイン)。第2シードは、5位のテイラー・フリッツ(アメリカ)。2人の実力者が、額面通りの力を示した決勝進出でもある。

 準々決勝のブランドン・ナカシマ(アメリカ/世界33位)戦後の会見で、アルカラスの表情は明るかった。

「素晴らしいプレーができた。コート上で何でもできる気がした」と自画自賛。実際にコートでは、見る者を熱狂させるスーパープレーのオンパレード。1回戦で足首を痛めるアクシデントもあっただけに、得た自信は大きかった様子だった。

 準決勝のキャスパー・ルード(ノルウェー/同12位)戦でも立ち上がり、前日の調子は継続中に見えた。1ポイント目から、唸り声を上げ自慢のフォアハンドを叩き込む姿は、過去3試合とは異なる集中力の証し。相手のサービスではリターンからプレッシャーをかけ、自身のサービスでは、相手の深いリターンポジションを読み切り前の広いスペースを活用。ルードサービスの第5ゲーム、第7ゲームでも、ブレークポイントを手にしていた。
 
 ただ、最後の1ポイントが取れない。それはルードの、周到なアルカラス対策ゆえでもあるだろう。なによりルードのプレーで際立ったのは、アルカラスのドロップショットへの対応。そしてクレー巧者らしい、アングルショットの活用。加えてサービスが絶好調だ。4度のブレークチャンスを与えたルードだが、その全てを凌ぐ。対するアルカラスは、苛立ちからか攻め急ぎも目立つようになる。その相手の心の乱れを突くように、ルードは第8ゲームでブレークに成功。第1セットはルードが、6-3で奪取した。

「精神面で難しかった。自分へのフラストレーションが溜まった」と、後にアルカラスは振り返る。ただ第2セットが始まる前、彼は負の側面をポジティブに解釈し、自分に声掛けしたという。

「4つのブレークポイントがあったのだから、自分のプレーは悪くない。粘り強くチャンスを生かしていこう」......と。

 自分を落ち着かせるうえでも、大きかったのは第2セット早々のブレーク。6度目のチャンスをものにすると、そこからは試合を掌握していった。

 プレー面で大きかったのは、サービスの向上だろう。第2セットだけでエース9本。初戦で痛めた左足首への不安があり「動きがぎこちなかった」というサービスを、試合前に念入りにチャックしていたという。第2セットを取り返したアルカラスが、第3セットもルードとの壮絶な打ち合いを制す。3-6、6-3、6-4の逆転で、本人いわく「とても厳しい試合」で勝利をもぎ取った。
 
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