男子テニスツアー「ロレックス上海マスターズ」(10月1日~12日/中国・上海/ハードコート/ATP1000)は現地8日にシングルス4回戦が行なわれ、センターコート第4試合にツアー20勝を誇る元世界ランキング1位のダニール・メドベージェフ(ロシア/現18位)が登場。ノーシードのラーナー・ティエン(アメリカ/現36位)を7-6(6)、6-7(1)、6-4で下し、今季3度目のマスターズベスト8進出を決めた。
わずか8日前の「中国オープン」(中国・北京/ハード/ATP500)準決勝でティエンと対戦した際には、ケイレンによりファイナルセット途中でリタイアを余儀なくされたメドベージェフだったが、早くも再戦が実現した今回は試合終盤で見事に集中力を取り戻して価値ある勝利をつかみ取った。
試合は序盤からロングラリーの応酬となったが、4-4で迎えた第9ゲームでメドベージェフが初のブレーク。サービング・フォー・ザ・セットとなった第10ゲームはキープできなかったもののタイブレークの末に第1セットを先取すると、第2セットもメドベージェフが第2ゲームで先にブレークして3-0とリードを奪う。
しかしここからティエンが猛反撃。第4ゲームから5ゲームを連取されて逆転を許したメドベージェフは、第10ゲームで起死回生のブレークバックを果たして2度目のタイブレークに持ち込んだが、このタイミングでまたしてもほとんど動けなくなるほどのひどいケイレンに見舞われ、1ポイントしか奪えずに1セットオールに持ち込まれた。
頭をよぎる悪夢の再来――不穏な空気が流れたが、勝負のファイナルセットでは29歳の元王者が意地を見せた。セット間の休憩を挟んで動きのキレが戻り、持ち前の粘りと正確なリターンで流れを引き寄せ、第9ゲームで値千金のブレークに成功。サービング・フォー・ザ・マッチとなった次のゲームをキープし、2時間52分の激闘に終止符を打った。
今年1月の全豪オープン2回戦を含め過去0勝2敗と分の悪かったティエンに初勝利を挙げたメドベージェフは、試合後のインタビューで素晴らしい活躍を見せている19歳を素直に称賛しつつ、次のように喜びを語った。
「彼は非常に難しい相手。これまでに2度対戦しているが、本当にすごい選手だと思う。まだ19歳で、サービスが得意ではないのに30位台にいるし、今後もどんどんランキング上げていくと思う。今日の試合も、正直僕が負けると思った。また足をつってしまったけど、何とか勝ち切れて本当にうれしい」
現地10日に予定されている準々決勝では第7シードのアレックス・デミノー(オーストラリア/現7位)と対戦するメドベージェフ。23年5月の「イタリア国際」(ローマ/クレーコート/ATP1000)以来約2年半ぶりのツアー優勝へ向け、このまま駆け抜けられるか注目だ。
文●中村光佑
【動画】足をつりながら戦い続けるメドベージェフの様子と、上海マスターズ8日目ハイライト
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試合は序盤からロングラリーの応酬となったが、4-4で迎えた第9ゲームでメドベージェフが初のブレーク。サービング・フォー・ザ・セットとなった第10ゲームはキープできなかったもののタイブレークの末に第1セットを先取すると、第2セットもメドベージェフが第2ゲームで先にブレークして3-0とリードを奪う。
しかしここからティエンが猛反撃。第4ゲームから5ゲームを連取されて逆転を許したメドベージェフは、第10ゲームで起死回生のブレークバックを果たして2度目のタイブレークに持ち込んだが、このタイミングでまたしてもほとんど動けなくなるほどのひどいケイレンに見舞われ、1ポイントしか奪えずに1セットオールに持ち込まれた。
頭をよぎる悪夢の再来――不穏な空気が流れたが、勝負のファイナルセットでは29歳の元王者が意地を見せた。セット間の休憩を挟んで動きのキレが戻り、持ち前の粘りと正確なリターンで流れを引き寄せ、第9ゲームで値千金のブレークに成功。サービング・フォー・ザ・マッチとなった次のゲームをキープし、2時間52分の激闘に終止符を打った。
今年1月の全豪オープン2回戦を含め過去0勝2敗と分の悪かったティエンに初勝利を挙げたメドベージェフは、試合後のインタビューで素晴らしい活躍を見せている19歳を素直に称賛しつつ、次のように喜びを語った。
「彼は非常に難しい相手。これまでに2度対戦しているが、本当にすごい選手だと思う。まだ19歳で、サービスが得意ではないのに30位台にいるし、今後もどんどんランキング上げていくと思う。今日の試合も、正直僕が負けると思った。また足をつってしまったけど、何とか勝ち切れて本当にうれしい」
現地10日に予定されている準々決勝では第7シードのアレックス・デミノー(オーストラリア/現7位)と対戦するメドベージェフ。23年5月の「イタリア国際」(ローマ/クレーコート/ATP1000)以来約2年半ぶりのツアー優勝へ向け、このまま駆け抜けられるか注目だ。
文●中村光佑
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