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海外テニス

ベテランテニスにスライスは必須。強くなる人たちの共通点とは?“全日本への道” |実践編

甘利隆

2021.01.05

ベテランテニスではスライスが必須の技術だと話す崔さん。写真:石井テニスアカデミー

ベテランテニスではスライスが必須の技術だと話す崔さん。写真:石井テニスアカデミー

『全日本ベテランテニス選手権』50歳以上男子シングルスのディフェンディングチャンピオンで、過去にも40歳以上、45歳以上の各シングルスを制した崔城薫(チョイ・ソンフン)さんに、前回はベテランテニスの大会へのエントリーの仕方、体調や時間の管理などについてお話ししていただいたが、今回は実際の試合で必須となるテクニック、強くなる人たちの共通点などについて触れていこう。

 現在も50歳以上男子シングルスでランキング1位(2020年11月30日付)をキープしている崔さん。ダブルスでボリス・ベッカーを破った経験を持ち、元全日本ダブルス王者でもある石井弘樹氏が主宰する石井テニスアカデミー(山梨県甲府市)にて普段はコーチを務めているが、いち競技者、また、指導者としての目線でベテランテニスを語り尽くす。
 
スライスは体力温存の意味でも有効

 ベテランの試合を観戦した経験がある方は、スライスを多用する持久戦のような印象を持っているかもしれない。では、実際にどのようなショットが有効なのだろうか。

「体力が必要なことは前回お話ししましたが、テクニックも大事ですね。ショットはスライスが基本的に多いです。それが有効ということもありますが、昔からプレーされているベテランの方々が若かった頃は、まだトップスピンをかける打ち方がそれほど盛んでなかったということもあるでしょうし、ドライブで打ち続けると体力を消耗しますから体力温存の意味でもスライスで“返して返して”という展開になることが多いですね。
 皆さん、技術が高く、スピン系の強いボールを打っても簡単に返されてしまいます。よほど良いボール、コースに打たないと一発で決まりません。それはジュニアにもいえることで、普段から“作って作って作って、決める”というテニスを教えています。
 理想はチャンスになったら前に出てボレーで決めたり、ドロップショットを打ったりなんですが、実際にそういう方はあまりいません。とにかく一所懸命“つなげてつなげて”相手のミスを待つ(笑)。だから体力がものをいうということもあるでしょうね。みんなボールに対する執着心がすごいです。やはり結果を残せるのはディフェンス力が強い人、それと体力がある人たちですね。そういったベテランの方たちは尊敬に値します」と崔さんは話す。
 

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