長きにわたって主要タイトルを独占してきた男子テニス界の「ビッグ4」(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マリー)の時代も刻一刻と終わりが近付いている。今年9月には41歳のフェデラーが惜しまれながらも現役生活に別れを告げた。残りの3人のレジェンドもすでに大ベテランの域に達しており、キャリアの終焉を迎えるのはもはや時間の問題だ。
ところが蓋を開けてみると今季も4つのグランドスラムのうち3大会でナダル(全豪、全仏)とジョコビッチ(ウインブルドン)がタイトルを獲得。またマリーは臀部のケガから見事な復活劇を見せ、今年6月には約4年ぶりにトップ50へ復帰した(現在も49位)。フェデラーの意志を受け継ぐ形で、3人の鉄人は依然として類まれな強さを見せ続けている。
それでも数多くの有望な若手が台頭しているのは事実であり、今後の男子テニスは群雄割拠の時代に突入することも予想されている。すなわちこれはより多くの選手がグランドスラムやそれに次ぐマスターズ1000大会で優勝するチャンスが出てくるということになるが、そうした状況の変化を喜んでいるのが19歳で世界王者に君臨するカルロス・アルカラス(スペイン)だ。
このほど応じたアラブ首長国連邦のニュースメディア『The National』のインタビューで「20年間、ビッグ4と呼ばれる同じ選手たちが、常に大きな大会で優勝してきた」と前置きしつつ、以下のようにコメントした。
「今は大きな大会で優勝するチャンスがたくさんあり、多くの選手がそのチャンスを手にしている。トップで戦える選手がたくさんいるのは、本当にうれしいことだ。テニス界の未来は明るいと確信している」
今季は3月のマイアミ・オープンと5月のマドリード・オープンのマスターズ2大会を制し、さらには9月の全米オープンで悲願のグランドスラム初優勝を成し遂げたアルカラス。キャリア初となる年間1位も達成し、19歳にしてすでに数多くの輝かしい功績を残している。
一方でまだまだツアーでの経験自体は浅く、来季は追われる立場となるプレッシャーにも立ち向かっていかなければならない。アルカラス自身もそれを認識しているという。
「来シーズンは、自分にとって今年とは違ったものになると思う。もう僕は上まで駆け上がっていくような選手ではなく、トップの位置にいる。多くの大会に出場することになるから、1年を通して強い気持ちでいなければならない。誰もが僕を倒したいと思っているから、そのための準備をしなければならない」
ちなみにアルカラスは先月初旬に出場した男子テニスツアー「ロレックス・パリ・マスターズ」(ATP1000)のシングルス準々決勝で同年齢のホルガー・ルネ(デンマーク/大会時18位/現11位)と対戦した際に左脇腹を負傷し、その後の検査で全治6週間と診断された。
そのため出場権を手にしていたシーズン最終戦「Nitto ATP ファイナルズ」は欠場を余儀なくされたが、回復に専念してきた彼は、間もなく開幕するエキジビションマッチ「ムバダラ・ワールド・テニス・チャンピオンシップ」(12月16日~18日/UAE・アブダビ/ハードコート)で復帰する予定だ。果たして久々の試合でどのようなプレーを見せてくれるのか注目したい。
文●中村光佑
【PHOTO】史上最年少の1位となった19歳アルカラスの全米オープン2022優勝までの激闘の記録
ところが蓋を開けてみると今季も4つのグランドスラムのうち3大会でナダル(全豪、全仏)とジョコビッチ(ウインブルドン)がタイトルを獲得。またマリーは臀部のケガから見事な復活劇を見せ、今年6月には約4年ぶりにトップ50へ復帰した(現在も49位)。フェデラーの意志を受け継ぐ形で、3人の鉄人は依然として類まれな強さを見せ続けている。
それでも数多くの有望な若手が台頭しているのは事実であり、今後の男子テニスは群雄割拠の時代に突入することも予想されている。すなわちこれはより多くの選手がグランドスラムやそれに次ぐマスターズ1000大会で優勝するチャンスが出てくるということになるが、そうした状況の変化を喜んでいるのが19歳で世界王者に君臨するカルロス・アルカラス(スペイン)だ。
このほど応じたアラブ首長国連邦のニュースメディア『The National』のインタビューで「20年間、ビッグ4と呼ばれる同じ選手たちが、常に大きな大会で優勝してきた」と前置きしつつ、以下のようにコメントした。
「今は大きな大会で優勝するチャンスがたくさんあり、多くの選手がそのチャンスを手にしている。トップで戦える選手がたくさんいるのは、本当にうれしいことだ。テニス界の未来は明るいと確信している」
今季は3月のマイアミ・オープンと5月のマドリード・オープンのマスターズ2大会を制し、さらには9月の全米オープンで悲願のグランドスラム初優勝を成し遂げたアルカラス。キャリア初となる年間1位も達成し、19歳にしてすでに数多くの輝かしい功績を残している。
一方でまだまだツアーでの経験自体は浅く、来季は追われる立場となるプレッシャーにも立ち向かっていかなければならない。アルカラス自身もそれを認識しているという。
「来シーズンは、自分にとって今年とは違ったものになると思う。もう僕は上まで駆け上がっていくような選手ではなく、トップの位置にいる。多くの大会に出場することになるから、1年を通して強い気持ちでいなければならない。誰もが僕を倒したいと思っているから、そのための準備をしなければならない」
ちなみにアルカラスは先月初旬に出場した男子テニスツアー「ロレックス・パリ・マスターズ」(ATP1000)のシングルス準々決勝で同年齢のホルガー・ルネ(デンマーク/大会時18位/現11位)と対戦した際に左脇腹を負傷し、その後の検査で全治6週間と診断された。
そのため出場権を手にしていたシーズン最終戦「Nitto ATP ファイナルズ」は欠場を余儀なくされたが、回復に専念してきた彼は、間もなく開幕するエキジビションマッチ「ムバダラ・ワールド・テニス・チャンピオンシップ」(12月16日~18日/UAE・アブダビ/ハードコート)で復帰する予定だ。果たして久々の試合でどのようなプレーを見せてくれるのか注目したい。
文●中村光佑
【PHOTO】史上最年少の1位となった19歳アルカラスの全米オープン2022優勝までの激闘の記録