今回のテーマは「元グリ」――売られているラケットに元から巻かれているグリップのことです。みんながグリップテープを巻く時代、果たして元グリに意味なんてあるのでしょうか?
本題に入る前に、まずはグリップテープの歴史を振り返っておきましょう。1980年代までは、全てのラケットに天然皮革製のグリップ、通称「グリップレザー」が巻かれていました。グリップレザーにもピンからキリまであり、最高級と言われるものは、手のひらにしっとりと馴染んで、実に心地よいものでした。
しかし上等なグリップレザーも、使用するにつれて汗が染み込み、表面はツルツルで硬くなっていきます。そのために「巻き替え用グリップレザー」も販売されていましたが、天然皮革ですから当時の価格で2,000円台後半と高価。
そこに登場したのが「グリップテープ」です。わざわざレザーを巻き替えなくても、その上から巻くだけで、滑らず、低コストで処理できたのがウケました。
こうしてグリップテープの需要が増え、それが常識となってくると、完全に隠れてしまう天然グリップレザーの必要性が問われるようになります。
その当時、雑貨屋で安く販売されていたオモチャラケットには、ビニール製らしきグリップが巻かれていたんですが、「極端な話、あれでもいいんじゃないの?」というところから、不織布製の基布を厚くしてウレタンを塗布した……つまりグリップレザー型のグリップテープが誕生します。
天然グリップレザーを生産するには長さが必要で、大判の牛革を用意しなければなりません。素材確保には結構なコストがかかり、また確保できる量も少なくなってきたのと、コストダウンのためにも「天然→人工」となったのです。90年代からは一部のマニアックなモデル以外ほぼ全て「シンセティックレザーグリップ」がデフォルト搭載されました。
その後、グリップテープと明確に区別するため、元から巻かれているグリップは「元グリ」と一般的に呼ばれるようになりました。逆にグリップテープの方を「オーバーグリップ」と呼ぶメーカーも増えています。
本題に入る前に、まずはグリップテープの歴史を振り返っておきましょう。1980年代までは、全てのラケットに天然皮革製のグリップ、通称「グリップレザー」が巻かれていました。グリップレザーにもピンからキリまであり、最高級と言われるものは、手のひらにしっとりと馴染んで、実に心地よいものでした。
しかし上等なグリップレザーも、使用するにつれて汗が染み込み、表面はツルツルで硬くなっていきます。そのために「巻き替え用グリップレザー」も販売されていましたが、天然皮革ですから当時の価格で2,000円台後半と高価。
そこに登場したのが「グリップテープ」です。わざわざレザーを巻き替えなくても、その上から巻くだけで、滑らず、低コストで処理できたのがウケました。
こうしてグリップテープの需要が増え、それが常識となってくると、完全に隠れてしまう天然グリップレザーの必要性が問われるようになります。
その当時、雑貨屋で安く販売されていたオモチャラケットには、ビニール製らしきグリップが巻かれていたんですが、「極端な話、あれでもいいんじゃないの?」というところから、不織布製の基布を厚くしてウレタンを塗布した……つまりグリップレザー型のグリップテープが誕生します。
天然グリップレザーを生産するには長さが必要で、大判の牛革を用意しなければなりません。素材確保には結構なコストがかかり、また確保できる量も少なくなってきたのと、コストダウンのためにも「天然→人工」となったのです。90年代からは一部のマニアックなモデル以外ほぼ全て「シンセティックレザーグリップ」がデフォルト搭載されました。
その後、グリップテープと明確に区別するため、元から巻かれているグリップは「元グリ」と一般的に呼ばれるようになりました。逆にグリップテープの方を「オーバーグリップ」と呼ぶメーカーも増えています。