男子テニスツアーの下部大会「エクスプロヴァンス・オープン」(5月2日~7日/フランス・エクスプロヴァンス/クレーコート/ATPチャレンジャー)は、大会最終日の現地5月7日にシングルス決勝が行なわれた。第5シードで元世界ランク1位のアンディー・マリー(イギリス/大会時52位)が、第1シードのトミー・ポール(アメリカ/大会時同17位)に2-6、6-1、6-2の逆転で勝利。2005年8月の「ビンガムトン・チャレンジャー」(アメリカ・ビンガムトン/ハードコート)以来約18年ぶりとなる自身3度目のチャレンジャー大会優勝を飾った。
今月末に開かれるテニス四大大会「全仏オープン」(5月28日~6月11日/フランス・パリ/クレーコート)の3年ぶりの出場に意欲を示している35歳のマリー。ところがクレーシーズンに入ってからは4月初旬の「モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000)と、先週の「マドリード・オープン」(ATP1000)のマスターズ2大会に参戦するも、いずれも初戦敗退に終わり、なかなか調子が上がってきていなかった。
そんな中で本戦ワイルドカード(主催者推薦)を獲得して出場した今回のチャレンジャーでは、元世界王者としての意地を見せて勝ち上がってきた。元世界6位のガエル・モンフィス(フランス/大会時322位)との初戦をストレートで快勝すると、以降も準決勝まで失セット数をわずか1に抑える素晴らしいプレーを披露。今年1月の全豪オープンでグランドスラム(四大大会)初のベスト4入りを果たしたポールとの決勝へ駒を進めていた。
この日の決勝戦では、序盤からプレーに精彩を欠いてあっさりと第1セットを落としたマリーだったが、第2セットに入ってからは徐々にリズムをつかみ、ストローク戦で主導権を確保。合計9回握ったブレークポイントのうち4つを物にし、1時間55分で価値ある優勝を手にした。
試合後の表彰式でマリーは思うようなプレーができない時期が長く続いていたことを明かしつつ、チームメンバーへの感謝の言葉と共に今後に向けた意気込みを口にした。
「ここ1年、1年半くらいは少々プレー面で苦戦していた。 それでも僕のチームは僕をサポートし、より良くなるために僕と協力してきた。ここからさらに前進していきたい」
また終始質の高いパフォーマンスができた今大会は、連日多くのファンが声援を送り続けてくれたことが非常にうれしかったと強調し、以下のようにコメントした。
「今週最も重要だったのは、応援に駆けつけてくれたファンの皆さんの存在だった。初戦から最後の試合まで、信じられないような雰囲気だった。このような大会では、地元のコミュニティーのサポートがとても重要だが、皆さんは大会が始まる前から駆けつけてくれた。練習中もファンの皆さんが会場で見守り、応援してくれた。ファンの声援は選手にとっても重要だが、この大会にとってもとても重要なものだ」
人工関節挿入の大手術を経て見事な完全復活を遂げ、こうして今もなお現役で活躍し続けているマリーには本当に頭が下がるばかりだ。この先もまだまだ若手選手に負けじと男子ツアーを盛り上げてもらいたい。
文●中村光佑
【連続写真】A・マリーの横に切れていく純粋なスライスサービス『30コマの超分解写真』
今月末に開かれるテニス四大大会「全仏オープン」(5月28日~6月11日/フランス・パリ/クレーコート)の3年ぶりの出場に意欲を示している35歳のマリー。ところがクレーシーズンに入ってからは4月初旬の「モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000)と、先週の「マドリード・オープン」(ATP1000)のマスターズ2大会に参戦するも、いずれも初戦敗退に終わり、なかなか調子が上がってきていなかった。
そんな中で本戦ワイルドカード(主催者推薦)を獲得して出場した今回のチャレンジャーでは、元世界王者としての意地を見せて勝ち上がってきた。元世界6位のガエル・モンフィス(フランス/大会時322位)との初戦をストレートで快勝すると、以降も準決勝まで失セット数をわずか1に抑える素晴らしいプレーを披露。今年1月の全豪オープンでグランドスラム(四大大会)初のベスト4入りを果たしたポールとの決勝へ駒を進めていた。
この日の決勝戦では、序盤からプレーに精彩を欠いてあっさりと第1セットを落としたマリーだったが、第2セットに入ってからは徐々にリズムをつかみ、ストローク戦で主導権を確保。合計9回握ったブレークポイントのうち4つを物にし、1時間55分で価値ある優勝を手にした。
試合後の表彰式でマリーは思うようなプレーができない時期が長く続いていたことを明かしつつ、チームメンバーへの感謝の言葉と共に今後に向けた意気込みを口にした。
「ここ1年、1年半くらいは少々プレー面で苦戦していた。 それでも僕のチームは僕をサポートし、より良くなるために僕と協力してきた。ここからさらに前進していきたい」
また終始質の高いパフォーマンスができた今大会は、連日多くのファンが声援を送り続けてくれたことが非常にうれしかったと強調し、以下のようにコメントした。
「今週最も重要だったのは、応援に駆けつけてくれたファンの皆さんの存在だった。初戦から最後の試合まで、信じられないような雰囲気だった。このような大会では、地元のコミュニティーのサポートがとても重要だが、皆さんは大会が始まる前から駆けつけてくれた。練習中もファンの皆さんが会場で見守り、応援してくれた。ファンの声援は選手にとっても重要だが、この大会にとってもとても重要なものだ」
人工関節挿入の大手術を経て見事な完全復活を遂げ、こうして今もなお現役で活躍し続けているマリーには本当に頭が下がるばかりだ。この先もまだまだ若手選手に負けじと男子ツアーを盛り上げてもらいたい。
文●中村光佑
【連続写真】A・マリーの横に切れていく純粋なスライスサービス『30コマの超分解写真』