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新規定の“パフォーマンス・バイ”により第3シードのルバキナが1回戦免除ならず!皮肉を交えてWTAに不満を吐露<SMASH>

中村光佑

2023.09.25

今回の「東レPPO」ではパフォーマンス・バイによって1回戦免除の権利を得ることができなかったルバキナ。25日には「体調不良」を理由に大会欠場が発表された。(C)Getty Images

 現在開催中の女子テニスツアー「東レパンパシフィック オープンテニス 2023」(9月25日~10月1日/東京・有明/WTA500)に出場する世界ランク5位のエレーナ・ルバキナ(カザフスタン)が、24日に更新した自身のインスタグラム(@lenarybakina)のストーリーズで1回戦免除とならなかったことに対する不満をあらわにした。

 23日に発表された今大会のドローを見てみると、第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド/2位)と、第2シードのジェシカ・ペグラ(アメリカ/4位)、そして第4シードのマリア・サッカリ(ギリシャ/9位)、第5シードのカロリーヌ・ガルシア(フランス/11位)の4人が1回戦免除となったのに対し、第3シードのルバキナは、リンダ・ノスコワ(チェコ/41位)との1回戦から登場する組み合わせとなっている。

 それではなぜルバキナよりもシード順位が低いサッカリとガルシアが、1回戦を戦わずに済むという事態が発生したのか。実はこれには今大会から新たに導入されている「パフォーマンス・バイ("バイ"は1回戦免除の意)」という特別措置が関係している。
 
 欧米スポーツメディア『ESPN』によると、これは前週の大会で準決勝もしくは決勝などの上位ステージに進出し、すぐさまその翌週の大会に出場する選手が少しでも休養を取れるように作られたものだという。これにより先週のWTA1000大会「グアダラハラ・オープン・アクロン(9月17日~23日/メキシコ・グアダラハラ/ハードコート)で、ベスト4以上に入ったサッカリ(優勝)とガルシア(サッカリとの準決勝で敗退)が、パフォーマンス・バイを獲得。不運にもルバキナが新規定の"餌食"になってしまったというわけだ。

 1回戦免除の権利を得られなかったルバキナは、このほど更新したストーリーズで上記の措置が到底納得できるものではないとし、皮肉の言葉を添えてWTA(女子テニス協会)に対する不快感を示した。

「パフォーマンス・バイ。ギリギリになってルールを変更してくれてありがとう。いつものようにWTAは素晴らしい決断を下した」

 ちなみにルバキナは、先日の全米オープンで3回戦敗退を喫してからは大会に出場していなかったため、1回戦からでも体力的には問題ないはずである。ただストーリーズの文面を見る限り、ルバキナは東京大会の開幕直前になって初めてパフォーマンス・バイを知った可能性が高い。仮にWTAが選手と十分にコミュニケーションを取らずに同措置を導入したのであれば、こうした怒りの声が上がるのも無理はないだろう。

 なお、東レパンパシフィック オープンテニスは25日、ルバキナの欠場を発表。欠場の理由は「体調不良」となっている。

文●中村光佑

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