テニスの日本チャンピオンを決める「三菱電機ビルソリューションズ 全日本テニス選手権98th」（10月28日～11月５日／東京・有明／ハードコート）は30日、男女シングルス２回戦ほかが実施された。

　大会はこの日からシード選手が登場。今回の全日本を最後に現役からの引退を表明している第１シードの関口周一は、今年プロ転向の18歳松岡隼と対戦。「気持ちで負けないようにしたい」と前がかりに挑んでくるチャレンジャーの松岡に対し、全日本に合わせて準備を整えてきたという関口は、終始落ち着いたプレーを披露。サービスでは巧みにコースを突いて松岡のリターンを狂わせ、ラリー戦でも強固な城壁のごとく弾道をはじき返し、機を見てネットへ出てポイントを奪う。

　一方的とも思える内容で第１セットを6-0で終えると、第２セットに入っても関口はペースを落とさず。現役引退後は、「（指導者として）松岡を指導することにもなる」という関口は、ルーキーを相手にプロテニスの厳しさを示すようにポイントを重ね、6-1で第２セットも奪い勝利を手にした。

「負けたらテニス人生が終わりですから、相手どうこう関係なく、全力でプレーしようという気持ちでした。結果的にいいテニスができて良かったです」と試合後のオンコートインタビューに答えた関口は、３回戦に向けて「誰とやってもタフな試合になるのは間違いないので、なるべく僕のいいプレーを数多く見せられるよう、（優勝まで）あと４試合頑張っていきますので、応援よろしくお願いします」と締めくくった。
  　センターコートの第１試合では、第２シードの望月勇希が田代悠雅と対戦。全日本の初戦ということで「緊張していた」という望月だが、田代の放つ力強いサービスを着実に返し、そこからの展開でゲームを優位に進め第４と第６ゲームをブレークして第１セットは6-1。

　続く第２セットはより攻撃的に出てきた田代に２度ブレークポイントを握られるも渡さず。逆にも望月は第７ゲームでつかんだブレークチャンスを取り切り、その勢いのまま押し切って勝利。望月は試合後、「自分の中で優勝したい気持ちは強いが、あまり先を見ず、楽しんで、観客に面白いプレーを見ていただければと思う」と笑顔を見せた。