多くのアマチュアは自分自身でゲームの判定を下す「セルフジャッジ」でテニスの試合をしています。「自分で判定するなら簡単だ」と思うかもしれませんが、それは大間違い。いい加減な判定によってトラブルを起こすことが多々あるからです。
そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこでテニス四大大会の出場経験を持つ元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。
今回は試合中のスマートフォンの使用についてです。相手がメディカルタイムアウト(選手が怪我や体調不良で治療や手当を受けるために一時的に試合を中断する制度)をとっている間にスマートフォンを使用したり、本を読むことはできるのでしょうか。
◆ ◆ ◆
試合中にプレーヤーが電子機器を使用することは一切できません。スマートフォンや携帯電話を持ち込む場合は、必ず電源を切ることが義務付けられています。
また、スマートウォッチの場合は電源が切れた状態でも試合中の着用は認められていません。したがって、メディカルタイムアウトの3分間を使ってスマートフォンを操作することはできません。
一方、本を読んだり、ノートやメモを見ることはルール上問題ありません。私も現役時代はコーチが試合前に書いてくれた注意事項などを読み返したことは何度もありました。
試合に集中しすぎて頭の中がヒートアップすると何をすればいいのかわからなくなったりします。そういう状況に陥った時に頭をクールダウンさせてくれるアイテムとして本やノートは効果的だと思います。それを読むことで我に返り「よし、大丈夫」と自分自にいい意味で暗示をかけることもできます。
ただし、本やノートでもダメなケースがあります。それは試合が始まってから入手した物を読むことです。試合中に「これ読んで」とコート外から渡されたものは、たとえ紙切れ一枚でもダメです。なぜなら、そうした行為が認められれば、簡単にコーチングができるからです。
現在、一部の大会を除いて試合中に選手へアドバイスを送ることはルールで禁じられています。前述したスマートフォン等の電子機器の持ち込みも、このコーチング(試合中のアドバイス)を予防するための措置なのです。だから本やノートを試合中に読みたいのであれば、必ず事前に自分のバックに入れてコートに入りましょう。
解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム(四大大会)では、全豪オープン3回戦進出をはじめ、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF公認審判員、JTA公認審判員も務める。日本テニス協会理事。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2022年11号より抜粋・再編集
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そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこでテニス四大大会の出場経験を持つ元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。
今回は試合中のスマートフォンの使用についてです。相手がメディカルタイムアウト(選手が怪我や体調不良で治療や手当を受けるために一時的に試合を中断する制度)をとっている間にスマートフォンを使用したり、本を読むことはできるのでしょうか。
◆ ◆ ◆
試合中にプレーヤーが電子機器を使用することは一切できません。スマートフォンや携帯電話を持ち込む場合は、必ず電源を切ることが義務付けられています。
また、スマートウォッチの場合は電源が切れた状態でも試合中の着用は認められていません。したがって、メディカルタイムアウトの3分間を使ってスマートフォンを操作することはできません。
一方、本を読んだり、ノートやメモを見ることはルール上問題ありません。私も現役時代はコーチが試合前に書いてくれた注意事項などを読み返したことは何度もありました。
試合に集中しすぎて頭の中がヒートアップすると何をすればいいのかわからなくなったりします。そういう状況に陥った時に頭をクールダウンさせてくれるアイテムとして本やノートは効果的だと思います。それを読むことで我に返り「よし、大丈夫」と自分自にいい意味で暗示をかけることもできます。
ただし、本やノートでもダメなケースがあります。それは試合が始まってから入手した物を読むことです。試合中に「これ読んで」とコート外から渡されたものは、たとえ紙切れ一枚でもダメです。なぜなら、そうした行為が認められれば、簡単にコーチングができるからです。
現在、一部の大会を除いて試合中に選手へアドバイスを送ることはルールで禁じられています。前述したスマートフォン等の電子機器の持ち込みも、このコーチング(試合中のアドバイス)を予防するための措置なのです。だから本やノートを試合中に読みたいのであれば、必ず事前に自分のバックに入れてコートに入りましょう。
解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム(四大大会)では、全豪オープン3回戦進出をはじめ、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF公認審判員、JTA公認審判員も務める。日本テニス協会理事。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2022年11号より抜粋・再編集
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