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女子テニス国別対抗戦“BJK杯ファイナル予選”がいよいよ11日に開幕!「短期決戦だから一戦一戦が大切」と杉山愛監督<SMASH>

内田暁

2025.04.10

開幕を前に試合会場となる東京・有明コロシアムで日本女子代表ら3カ国が会見を行ない抱負を語った(写真は日本代表チーム)。写真:内田暁

 テニスの女子国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ(BJK杯)」のファイナル予選が、4月11日(金)から13日(日)にかけて東京で開催される。その開幕に先立つ10日には、会場の有明コロシアムで3カ国の監督および代表選手たちが会見を行ない、抱負を語った。

 今回のファイナル予選は、9月に中国の深圳で開催される「BJK杯 ファイナルズ」(決勝大会)への出場権を懸けた戦い。ファイナルズの出場チームは8カ国で、ホスト国の中国と昨年の優勝国イタリアが既に出場権を確保している。

 今回実施されるファイナル予選のフォーマットは昨年までと異なり、3カ国が1つのグループ(全6グループ)を形成して総当たり戦を実施。各グループ最高位が深圳への切符を手にする。試合はシングルス2試合とダブルス1試合を行ない、先に2勝したチームが勝利国となる。3カ国が三つ巴状態になった場合は、セット獲得率等で序列が決まる。日本はカナダとルーマニアと同組で、12日にルーマニアと、13日にカナダと対戦する。

 昨年スペインで行なわれたファイナルズに出場した日本は、当時の選手たちをベースに、20歳の伊藤あおいが代表に初選出された。伊藤は昨年から今年にかけてブレークし、現在のシングルスランキングは世界104位。今回の日本代表では、内島萌夏(同51位)に次ぐ2番手だ。
 
 パワーを技でいなすトリッキーなプレースタイルの伊藤は、発言もユニーク。日ごろは「テニスの目標は、老後安泰なお金を稼ぐこと」と発言しているが、今回の代表選出に関しては「テニスをやっている身からしても、日本代表という響きはすごく良い。今回選んで頂けてすごくうれしい」と幾分興奮気味だ。

 そんな伊藤の存在には、対戦国も注目する。カナダのハイディ・エルタバク監督は、「伊藤はユニークなプレースタイル。彼女が出てくるとしたら、特別な対応が必要だ」と警戒の目を光らせた。

 もっともそのカナダにも、18歳のビクトリア・エムボコという話題の新星がいる。今季スタート時のランキングは300位台。そこからITFツアー(下部大会)で4大会連続優勝(22連勝)という驚異の記録を樹立し、現在は159位である。

 ちなみにその連勝街道に突入する直前の昨年11月、エムボコが負けた相手こそが、伊藤あおい。もし両者が顔を合わせれば、対照的なプレースタイルによる見どころに満ちた若手対決となる。
 
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選手のランキングだけで見れば日本が優位だが…