現在行なわれている女子テニスツアーのWTA500シリーズ「ポルシェ・テニス・グランプリ」(4月14日~21日/ドイツ・シュツットガルト/室内クレーコート/WTA500)は現地19日にシングルス準々決勝が行なわれ、第2シードで元世界ランキング1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド/現2位)がセンターコート第2試合に登場。ノーシードで元世界5位のエレナ・オスタペンコ(ラトビア/現24位)と対戦したが、3-6、6-3、2-6のフルセットで敗れ、ベスト4進出を逃した。
両者はこれまでに5度対戦しているが、対戦成績は今年2月の「カタール・オープン」(ハード/WTA1000)準決勝を含め、シフィオンテクから見て0勝5敗。シフィオンテクが最も得意とするクレーコートでは今回が初対決となったが、そこでも“天敵”に行く手を阻まれる格好となってしまった。
第1セットのシフィオンテクは2度のブレークを奪うも、自身のサービスゲームを3度落として3-6でセットダウン。第2セットこそ6-3で取り返したものの、ファイナルセットは2度のブレークを喫し、2-6で失って2時間7分で力尽きた。
これで対オスタペンコ6連敗。確かにテニスでは“相性”が勝敗に影響するケースは多いが、シフィオンテクのように四大大会を複数回制し(全仏4回、全米1回)、長期間にわたって世界1位に君臨した選手が、特定の選手にこれだけ勝てないという事態は、非常に珍しく、同時に“深刻”と言っても過言ではない。試合後の会見では言葉少なにその苦しみを滲ませた。
「今日は接戦だったし、チャンスもあった。これまでの対戦では、彼女が全てのボールを攻めて、大きなリスクを取ってきたから、私は何もできなかった。でも今回は、ある時間帯では自分が試合を支配している感覚もあった。ただ、ファイナルセットで少し集中力や勢いを失ってしまって、それが致命的になったと思う」
一方今回の勝利により、シフィオンテクを全てのサーフェスで破るという誇るべき記録(ハード4勝、芝1勝、クレー1勝)を打ち立てたオスタペンコは、自身も2017年の全仏オープンで優勝した経験を持つことを踏まえ、オンコートインタビューでどこか得意げにこう語った。
「彼女(シフィオンテク)は素晴らしいクレーコーターだけど、私も全仏オープンで優勝しているから、自分についても同じことが言える。彼女との対戦はタフだし、毎回厳しい戦いになると覚悟して望んでいる。でも今日も決定的な瞬間に、この試合に勝てるチャンスがあるだろうとなんとなくわかっていた。全体的にもいいプレーができていたと思う」
シフィオンテクが天敵を打ち破る日はまだまだ先なのか、それとも次の対戦で訪れるのか。いずれにせよ、今後も両者の対決は大きな注目を集めそうだ。
文●中村光佑
【動画】シフィオンテクがオスタペンコに敗れた「ポルシェ・テニス・グランプリ」準々決勝ハイライト
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【関連記事】ボールボーイに向かってボールを叩きつけたシフィオンテクが弁明「冷静さを欠いて判断を誤ってしまった」<SMASH>
両者はこれまでに5度対戦しているが、対戦成績は今年2月の「カタール・オープン」(ハード/WTA1000)準決勝を含め、シフィオンテクから見て0勝5敗。シフィオンテクが最も得意とするクレーコートでは今回が初対決となったが、そこでも“天敵”に行く手を阻まれる格好となってしまった。
第1セットのシフィオンテクは2度のブレークを奪うも、自身のサービスゲームを3度落として3-6でセットダウン。第2セットこそ6-3で取り返したものの、ファイナルセットは2度のブレークを喫し、2-6で失って2時間7分で力尽きた。
これで対オスタペンコ6連敗。確かにテニスでは“相性”が勝敗に影響するケースは多いが、シフィオンテクのように四大大会を複数回制し(全仏4回、全米1回)、長期間にわたって世界1位に君臨した選手が、特定の選手にこれだけ勝てないという事態は、非常に珍しく、同時に“深刻”と言っても過言ではない。試合後の会見では言葉少なにその苦しみを滲ませた。
「今日は接戦だったし、チャンスもあった。これまでの対戦では、彼女が全てのボールを攻めて、大きなリスクを取ってきたから、私は何もできなかった。でも今回は、ある時間帯では自分が試合を支配している感覚もあった。ただ、ファイナルセットで少し集中力や勢いを失ってしまって、それが致命的になったと思う」
一方今回の勝利により、シフィオンテクを全てのサーフェスで破るという誇るべき記録(ハード4勝、芝1勝、クレー1勝)を打ち立てたオスタペンコは、自身も2017年の全仏オープンで優勝した経験を持つことを踏まえ、オンコートインタビューでどこか得意げにこう語った。
「彼女(シフィオンテク)は素晴らしいクレーコーターだけど、私も全仏オープンで優勝しているから、自分についても同じことが言える。彼女との対戦はタフだし、毎回厳しい戦いになると覚悟して望んでいる。でも今日も決定的な瞬間に、この試合に勝てるチャンスがあるだろうとなんとなくわかっていた。全体的にもいいプレーができていたと思う」
シフィオンテクが天敵を打ち破る日はまだまだ先なのか、それとも次の対戦で訪れるのか。いずれにせよ、今後も両者の対決は大きな注目を集めそうだ。
文●中村光佑
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