昨夏のパリ五輪で「生涯ゴールデンスラム」(五輪と全ての四大大会を制覇)の偉業を達成してから苦戦が続いている男子テニス元世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現5位/37歳)。現在開催中のツアー大会「ムチュア・マドリード・オープン」でも初戦の2回戦で一回り以上年下の24歳マテオ・アルナルディ(イタリア/現44位)に敗れ、今季2度目のマッチ3連敗および2大会連続の初戦敗退を喫した。
節目のツアー100タイトルにも足踏み状態が続いているジョコビッチは、やはりモチベーションの維持に苦しんでいる様子。アルナルディ戦後の記者会見では「もう選手としてマドリードに戻ることはないかもしれない」と、今季限りでの現役引退をにおわせる発言をしたのは既報の通りである。
直後にジョコビッチは過去6度の優勝を経験し、2007年の初参戦から18年連続で出場していたマスターズ1000大会「イタリア国際」(5月7日~18日/イタリア・ローマ)の欠場を正式に発表。ファンの間では心配の声が広がっているが、このほど37歳のレジェンドは米メディア「Business Traveler」のインタビューで自身の人生におけるテニスの役割を振り返りつつ、改めて現役続行の意志を示したという。
「テニスは若い頃から私の人生の大部分を占めてきた。精神的にも肉体的にも、そして感情的にも全てのエネルギーを注いできたが、その見返りは確かにあった。プロスポーツで世界トップレベルに到達すると、ビジネスや人生のあらゆることに通じる基本が身に付く。規律や毎日のルーティンの重要性は軽視されがちだが、本当に大切なことだ。規律と献身と情熱、そして革新性。適応力というのは、本当に特別かつ滅多に得られない能力だと思う」
数年前に聞いた“最大のライバルは、昨日の自分だ。常に自分のベストバージョンを目指せ”という言葉が、人生のモットーのようなものになっていると明かしたジョコビッチ。マドリードでの敗戦から気持ちを入れ替えたのか、今はまた自分の限界に挑むことへの意欲を新たにしている。
「今は全盛期のような結果を出すのが難しくなっているのは明らかだ。でも、それはもう二度と活躍できないということではない。“偉大さ”というものは、年齢や経験を重ねる中で形を変えるものだと思う。人は毎年、毎月、毎週変わっていくから、常に“これで十分だ”と思わない姿勢が必要になる。
そもそもテニスというのは、“これで十分”という考えを持ってはならないスポーツだ。“もう十分だ”と思った時が、ラケットを置く時なのだろうが、まだ私自身は“十分だ”とは感じていない」
今のジョコビッチは“引退”か“現役続行”か、2つの選択肢のはざまで揺れ動いている様子がうかがえる。その答えが出るまでは時間がかかるかもしれないが、ファンとしては彼の気持ちが“現役続行”に完全に傾くことを願わずにはいられない。
文●中村光佑
【画像】ジョコビッチをはじめパリオリンピック・テニス競技のメダリストたち
【関連記事】37歳ジョコビッチ、調子上がらずマドリードも初戦敗退。「ここでの最後の試合になる可能性はある」と引退をにおわす発言も<SMASH>
【関連記事】ジョコビッチがモンテカルロ初戦で32位にストレート負け「ここまで悪いとは予想していなかった」と悲嘆<SMASH>
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直後にジョコビッチは過去6度の優勝を経験し、2007年の初参戦から18年連続で出場していたマスターズ1000大会「イタリア国際」(5月7日~18日/イタリア・ローマ)の欠場を正式に発表。ファンの間では心配の声が広がっているが、このほど37歳のレジェンドは米メディア「Business Traveler」のインタビューで自身の人生におけるテニスの役割を振り返りつつ、改めて現役続行の意志を示したという。
「テニスは若い頃から私の人生の大部分を占めてきた。精神的にも肉体的にも、そして感情的にも全てのエネルギーを注いできたが、その見返りは確かにあった。プロスポーツで世界トップレベルに到達すると、ビジネスや人生のあらゆることに通じる基本が身に付く。規律や毎日のルーティンの重要性は軽視されがちだが、本当に大切なことだ。規律と献身と情熱、そして革新性。適応力というのは、本当に特別かつ滅多に得られない能力だと思う」
数年前に聞いた“最大のライバルは、昨日の自分だ。常に自分のベストバージョンを目指せ”という言葉が、人生のモットーのようなものになっていると明かしたジョコビッチ。マドリードでの敗戦から気持ちを入れ替えたのか、今はまた自分の限界に挑むことへの意欲を新たにしている。
「今は全盛期のような結果を出すのが難しくなっているのは明らかだ。でも、それはもう二度と活躍できないということではない。“偉大さ”というものは、年齢や経験を重ねる中で形を変えるものだと思う。人は毎年、毎月、毎週変わっていくから、常に“これで十分だ”と思わない姿勢が必要になる。
そもそもテニスというのは、“これで十分”という考えを持ってはならないスポーツだ。“もう十分だ”と思った時が、ラケットを置く時なのだろうが、まだ私自身は“十分だ”とは感じていない」
今のジョコビッチは“引退”か“現役続行”か、2つの選択肢のはざまで揺れ動いている様子がうかがえる。その答えが出るまでは時間がかかるかもしれないが、ファンとしては彼の気持ちが“現役続行”に完全に傾くことを願わずにはいられない。
文●中村光佑
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