海外テニス

ウインブルドンで2度の優勝を誇る元世界2位クビトワが引退を表明!「全米オープンでキャリアを終えるつもりです」<SMASH>

中村光佑

2025.06.20

出産を経て戦線復帰を果たしたチェコ女子テニス界の名手クビトワが今夏の全米オープンでキャリアに終止符を打つことを表明した。(C)Getty Images

 今年2月に産休から約16カ月ぶりのツアー復帰を果たした女子テニス元世界ランキング2位のペトラ・クビトワ(チェコ/現572位)が6月19日に自身のSNSを更新し、今年9月に開かれる四大大会「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)を最後に、現役を引退することを発表した。

 これまでに四大大会2勝(いずれもウインブルドン)を含むツアー31勝を挙げ、2011年にキャリアハイの世界2位をマークした35歳のクビトワは、23年7月に自身の長年のコーチであるイリ・バネク氏と結婚。昨年の元日に妊娠を発表し、7月には無事第一子となる男の子を出産していた。

 クビトワは結婚後の23年10月に出場した「チャイナ・オープン」(WTA1000)で2回戦に進んだ後、戦線を離れていたが、今年2月にようやくツアーに復帰。復帰後は先週の「HSBC選手権」(6月9日~15日/イギリス・ロンドン/芝/WTA500)を含めここまで7大会に出場したものの、うち6大会で初戦敗退と苦戦を強いられている。

 復帰後唯一の勝利を先月の「イタリア国際」(クレー/WTA1000)1回戦で挙げ、その後のインタビューで「楽しめる間は、ずっとプレーを続けたい」と語っていたクビトワ。再来週開幕する「ウインブルドン」(6月30日~7月13日)にもワイルドカード(主催者推薦)での出場が決まっているが、そんな中での引退発表は、多くの人々にとって予想外の出来事となった。
 
 クビトワは更新したSNSで06年のプロ転向から19年にわたるキャリアを振り返りつつ、感謝の言葉を交えて次のように綴った。

「プロテニス選手になってからの19年間、本当に素晴らしい経験をさせてもらいました。ウインブルドンで2度の優勝を果たし、チェコ代表としてビリー・ジーン・キング・カップ(女子国別対抗戦/旧フェドカップ)で6度の優勝に貢献し、世界ランキング2位にもなりました。夢にも思わなかったようなことをたくさん成し遂げることができ、これまでテニスから与えてもらった全てに心から感謝しています」

「それでも人生には全てに終わりがあり、新たな章へと進む時がやってきます。その時が今まさに訪れました。2025年がプロ選手としての最後のシーズンになることを皆さんにお伝えしたいと思います。まだはっきりとは決まっていませんが、今年の夏後半にニューヨークで開催される全米オープンで現役選手としてのキャリアを終えるつもりです」

 数々の偉業とともに、常に優雅で力強いプレーを見せてきたクビトワ。コートでの残された時間が、彼女にとってかけがえのないものとなるよう願いたい。

文●中村光佑

【動画】クビトワがウインブルドンで2度目の優勝を果たした2014年の決勝ハイライト

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