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世界5位パオリーニがわずか3カ月でコーチを解任。不振の芝シーズンを終え「変化を起こすことにした」<SMASH>

中村光佑

2025.07.09

4月にパオリーニ(左)が招聘したロペス(右)は、ナダルとのペアでリオ五輪を制したダブルスの元トップ選手。滑り出しは順調に見えたが、わずか3カ月で師弟関係解消となった。(C)Getty Images

 女子テニス世界ランキング5位のジャスミン・パオリーニ(イタリア)が7月7日に自身の公式インスタグラム(@jasmine_paolini)のストーリーズ(24時間で自動消去される投稿)を更新し、今年4月に自身のチームに招聘したマルク・ロペス氏(スペイン/42歳)とのコーチ契約をわずか3カ月で解消したことを発表した。

 昨シーズンに「全仏オープン」と「ウインブルドン」のグランドスラム(四大大会)2大会で準優勝した29歳のパオリーニは、今年3月末に2020年から指導を受けてきたレンゾ・フルラン氏(イタリア/55歳)との師弟関係を解消。その直後にダブルス元世界3位のロペス氏をチームに迎え入れ、5月に母国で開催された「イタリア国際」(イタリア・ローマ/クレー/WTA1000)で1990年のモニカ・セレス(アメリカ/元1位)以来35年ぶりとなる単複優勝を飾っていた。

 しかしその後に出場した全仏オープンで4回戦敗退を喫すと、芝シーズン初戦となった6月中旬の「ベルリン・テニス・オープン」(ドイツ・ベルリン/WTA500)では2回戦敗退。直後に参戦した「バート・ホンブルク・オープン」(ドイツ・バート・ホンブルク/WTA500)ではベスト4に進出したものの、現在開催中のウインブルドンではカミラ・ラヒモワ(ロシア/同62位)に逆転負けし2回戦敗退に終わった。
 
 イタリア国際を制して以降はどこか振るわないパオリーニ。更新したストーリーズではロペス氏を招聘してからまだ間もない中での契約解消に至った経緯について「シーズンの一区切りがついたので、変化を起こすことにしました」と簡潔に説明し、感謝の言葉を綴っている。

「ここまでマルク・ロペスに支えてもらったことに感謝しています。中でもローマとパリでは共に素晴らしい結果を残すことができました。あの瞬間は永遠に忘れません。全てのハードワークとマルクが注いでくれたエネルギーには、本当に感謝しています」

「多くのことを学べましたし、良い進歩も感じられたので、これから少し時間を取って、次に進むべき道を考えたいと思います。マルク、本当にありがとう。あなたのこれからの活躍を心から願っています」

 一方のロペス氏もストーリーズを通じ、新たな道を歩み出すパオリーニへのエールを送った。「ジャス(パオリーニの愛称)、この素晴らしい3カ月間を一緒に過ごしてくれてありがとう。今後も君の幸運を祈っているよ。頑張れ、ジャス!」

 投稿内容を踏まえると、現時点でパオリーニの新コーチはまだ決まっていないようだ。大きな決断を下した彼女の今後を見守っていきたい。

文●中村光佑

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