2023年に現役を引退した男子テニス元世界ランキング12位のフェリシアーノ・ロペス氏(スペイン/43歳)が、母国のテニスメディア『Punto de Break』が新たに開設したポッドキャスト『Llamada a pista』に出演。その中で近年のプロテニスツアーについて、「選手の個性がなくなってしまった」との私見を述べている。
1997年のプロ転向以降、巧みなサーブ&ボレーと華麗な片手バックハンドで多くのファンを魅了し、シングルスでツアー7勝、さらには男子テニス史上最多のグランドスラム(四大大会)79大会連続出場の記録を持つロペス氏は、現代テニスの"問題点"をこう指摘する。
「今は"違うタイプの選手"を目にすることがない。これはあくまでも個人的な意見だが、テニスの魅力は、昔からずっと"多様性"だったと思う。かつては、サーフェス(コートの種類)の違いがそれを自然に生み出していたんだ。例えばグランドスラムではイワン・レンドル(チェコ/元世界1位)がウインブルドン(芝コート)で優勝することに執着するあまり、あえて全仏オープン(クレーコート)をスキップしたこともあったくらいだからね」
つまり今の選手はプレースタイルが皆同じに見えるというのだ。事実最近はラリー戦主体の展開や強打に頼るスタイルが主流になりつつある。その背景として「ボールが飛ばない」ことを指摘する声が多い中、ロペス氏も現代選手の個性が失われている原因の一つに、"全サーフェスの球足の低速化"を挙げる。
「以前は、全仏オープンとウインブルドンでプレーする時、あるいはカーペットコート(室内型のコート)でプレーする時では、全く違うテニスが見られた。でも今は、サーフェスごとの特性が均質化されたことで、選手のプレースタイルにもあまり差が見られなくなった。確かに芝コートやクレーコートは今でもそれぞれ違いはあるけど、昔とはまるで別物だ。芝は遅くなり、速かったコートも遅くなった。その結果、選手のプレースタイルはどれも似たようなものになってしまっている」
プレースタイルの画一化も、時代の変化がもたらした一側面なのかもしれない。ロペス氏の見解は、その現状に対する一つの貴重な考えとして受け止めたい。
文●中村光佑
【画像】ウインブルドン 2025 を戦った男子トップ選手たちの厳選フォト
【画像】ウインブルドン 2025 を戦った女子トップ選手たちの厳選フォト
【関連記事】マドリードOPの男女差別を批判した女子9位のジャバーにロペスTDが反論「我々は常に公平であろうと努めている」<SMASH>
1997年のプロ転向以降、巧みなサーブ&ボレーと華麗な片手バックハンドで多くのファンを魅了し、シングルスでツアー7勝、さらには男子テニス史上最多のグランドスラム(四大大会)79大会連続出場の記録を持つロペス氏は、現代テニスの"問題点"をこう指摘する。
「今は"違うタイプの選手"を目にすることがない。これはあくまでも個人的な意見だが、テニスの魅力は、昔からずっと"多様性"だったと思う。かつては、サーフェス(コートの種類)の違いがそれを自然に生み出していたんだ。例えばグランドスラムではイワン・レンドル(チェコ/元世界1位)がウインブルドン(芝コート)で優勝することに執着するあまり、あえて全仏オープン(クレーコート)をスキップしたこともあったくらいだからね」
つまり今の選手はプレースタイルが皆同じに見えるというのだ。事実最近はラリー戦主体の展開や強打に頼るスタイルが主流になりつつある。その背景として「ボールが飛ばない」ことを指摘する声が多い中、ロペス氏も現代選手の個性が失われている原因の一つに、"全サーフェスの球足の低速化"を挙げる。
「以前は、全仏オープンとウインブルドンでプレーする時、あるいはカーペットコート(室内型のコート)でプレーする時では、全く違うテニスが見られた。でも今は、サーフェスごとの特性が均質化されたことで、選手のプレースタイルにもあまり差が見られなくなった。確かに芝コートやクレーコートは今でもそれぞれ違いはあるけど、昔とはまるで別物だ。芝は遅くなり、速かったコートも遅くなった。その結果、選手のプレースタイルはどれも似たようなものになってしまっている」
プレースタイルの画一化も、時代の変化がもたらした一側面なのかもしれない。ロペス氏の見解は、その現状に対する一つの貴重な考えとして受け止めたい。
文●中村光佑
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