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海外テニス

プロデビュー戦の園部八奏を跳ね返した大坂なおみの老練さ。「隣で練習している彼女を見た」だけで立てた作戦がハマる<SMASH>

内田暁

2025.10.14

プロデビュー戦で大坂に挑んだ17歳の園部八奏。中盤から健闘を見せたが振り切られ、「もう一回やりたい」と負けん気を見せた(写真は2月の大会)。(C)Getty Images

プロデビュー戦で大坂に挑んだ17歳の園部八奏。中盤から健闘を見せたが振り切られ、「もう一回やりたい」と負けん気を見せた(写真は2月の大会)。(C)Getty Images

 ただ、28歳の誕生日を3日後に控える大坂は、若さの勢いを止める術を知る。相手の情報が少ない中でも、準備と対策に抜かりはない。

「試合前のウォームアップで、隣のコートで練習している彼女を見た。フラットのボールを打ち返すのが好きな選手だと感じたので、コーチとも相談の上で、高い軌道のボールを多く使おうと思っていた」

 この大坂の老練さとプレーの幅の広さが、試合が進むにつれ可視化されていく。回転をかけた弾むボールで、園部のバックサイドを狙い強打を封じた。また8本のエースを決めたサービスも、大坂の武器であり両者を隔てた要因だろう。

 それも単に、スピードだけではない。園部はサービスの読みの良い選手で、打たれる前からコースに動いていることが多い。その園部がこの試合では、幾度も逆を突かれた。

「サービスのコースや確率が良くて、リターンが難しかった。(大坂は)ラリーでもしっかりミスなく、丁寧にやってきた」

 それが、園部がネットを挟んで対峙し肌身で感じた、大坂の強さの精髄。その相手への力負けを認めながらも、試合序盤で力を出し切れなかった悔いも大きい。
 
「悔しいというか......できることなら、もう一回やりたいという気持ちがある」

 この負けん気こそが、17歳の大器がプロデビュー戦で光らせた、天性のスターの資質だ。

 一方の大坂は勝利の先に、自分が生まれた町・大阪で迎える、10月16日の誕生日を思い描く。

「自分が年を取ったのだなと感じるけれど、キャリアのこの時点で、大阪にいられることがうれしい。娘と一緒に過ごせることにも、すごくワクワクしている」
 
 順当に行けば待ち望むその時は、2回戦の勝利後に迎えることになるだろう。

 故郷で10歳年少選手の挑戦を退け、自分が踏破してきた道に思いを馳せ、大坂なおみが、大阪をゆく。

取材・文●内田暁

【動画】大坂なおみが園部八奏の挑戦を退けたジャパンオープン1回戦ハイライト

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