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飛びの好反発、操作性の短尺、ニッチな上級ラケットの打ち心地は?【新作ラケットインプレッション/Prince・Tecnifibre・PROKENNEX編】

吉田正広

2020.04.01

身体に近いボールでもラケット操作がしやすいテク二ファイバー。写真:田中研治

身体に近いボールでもラケット操作がしやすいテク二ファイバー。写真:田中研治

誌打ラケット
◆Tecnifibre T-Rebound TEMPO 285◆ ※詳細スペックは記事の最後に

弾道が上がり、スピンで落ちる結果、信じられないほどネットミスが減る!

 テスター2人の意見が割れた。女性“向け”ではなく、筋肉量や骨格を分析して生理学的なデータに基づき開発された女性“専用”ラケットだから、両者が使えば、自ずと使用感も異なるのかもしれない。

 男性の前道が言うには、「軽くてスイングしやすい。強打時もスピンが効いてしっかりとコートに収まってくれるため、プレー中の安心感が高い」という。一方女性の保坂は「ビュンビュン振り回すとボールがあばれがち」と若干ニュアンスの違いを伝える。

 その保坂が言うには、「このラケットの良さが出てくるスイングスピードがあるので、それを見つけた時の『これだ感』はかなりの喜び」なのだという。「ナチュラルなスイングスピードにマッチすれば、最高の武器になるだろう」と言葉を続けた。
 
 通常よりも0.5インチショートの短尺設計ゆえ、ラケットを早く引けて、速く振れる女性専用に作られた固有のテンポがあり、それが、テスター2人の意見をたがえた理由かもしれない。

 とはいえ、2人ともこのラケットの優れたパフォーマンス&ポテンシャルについては、同意する。特に「自然とスピンがかかり、しかもコントロールしやすい」(保坂)、「ボールの引っかかりが良く、回転をかけるのがとにかく楽」(前道)といって、スピン性を高く評価。保坂は「軌道が高く飛んでくれるので、信じられないほどネットミスが減る」と絶賛した。

 27インチのレギュラー尺に比べて、短尺化により何がもたらされたか? 結果的に、「ネットを越える弾道が18パーセント高くなり、スピン量も7パーセント増加する」というテクニファイバーの示したデータを裏付けるパフォーマンスが確認されたのだ。

 比較的小柄な日本人女性が、大柄な海外男子選手と同じ長さのラケットを振るのは、冷静に顧みるならば、むしろ不自然かもしれない。比率でいえば26.5インチラケットこそ、よりマッチするスペックと考えるのが合理的ではないだろうか?

◆T-Rebound TEMPO 285(T-リバウンド テンポ 285)◆

●価格/\26,000+税(270)/\28,000+税(285)
※フルカバー付
●フレーム全長/26.5inch
●平均ウェイト/270g(270)、285g(285)
●素材/グラファイト
●フェイス面積/100inch²
●ストリングパターン/14×18(270)、16×19(285)
●フレーム厚/24-26-25㎜
●グリップサイズ/1、2
●平均バランスポイント/330㎜(270)、320㎜(285)
●推奨テンション/50~55ポンド


 
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