大会が欧米に集中する現状では、アジア地域を拠点とする選手たちの負担は大きい。
土居美咲は、今年1月に日本からオーストラリアに発って以降、オリンピックのため帰国した時以外は、“旅”を生活の基盤としている。彼女の場合は、北米と欧州の複数都市に拠点や知己を持つ、オーストリア系アメリカ人コーチの人脈がものを言った。
春から夏にかけての約3か月、単身で欧州転戦した加藤未唯は、その経験を「もうやめておこうと思います」と振り返る。とりわけ苦労したのは、練習パートナーの確保。選手個々が最高の準備をしたいと望むツアーでは、お互いのスケジュールや練習内容をすり合わせるのも難しい。“バブル(隔離措置)”で外出もままならないなか、大会が終われば一旦帰宅する欧州勢の姿を見ては、日本から遠征する身のつらさを実感した。
遠征による心身の疲労を覚えているのは、オーストラリアのアシュリー・バーティも同様だ。オーストラリアへの入国者に課される2週間の完全隔離は、世界1位のアスリートといえど例外ではない。そのためバーティは今年3月に遠征に出て以来、一度も帰宅できずにいるという。
加えて今年は、年間ランキング上位8名で競われる「WTAファイナルズ」が、11月にメキシコで開催されることになった。既に出場権を獲得しているバーティだが、帰国後の2週間隔離の影響を考慮し、欠場すると見られている。
バーティのコーチは、「彼女は心身ともに疲れ切っていて、休みが必要だ」と語り、10月のパリバ・オープン欠場も示唆。来年1月の全豪オープンに備えるためにも、オフシーズンの重要性を説いた。
テニスの大会は毎週のように開催され、ファンもコートサイドに足を運び、外形的には、ツアーは元の姿を取り戻したようにも見える。
ただその構成要素は、決して以前と同じではない。
取材・文●内田暁
【PHOTO】世界で戦う日比野菜緒や土居美咲ら日本人女子テニスプレーヤー!
土居美咲は、今年1月に日本からオーストラリアに発って以降、オリンピックのため帰国した時以外は、“旅”を生活の基盤としている。彼女の場合は、北米と欧州の複数都市に拠点や知己を持つ、オーストリア系アメリカ人コーチの人脈がものを言った。
春から夏にかけての約3か月、単身で欧州転戦した加藤未唯は、その経験を「もうやめておこうと思います」と振り返る。とりわけ苦労したのは、練習パートナーの確保。選手個々が最高の準備をしたいと望むツアーでは、お互いのスケジュールや練習内容をすり合わせるのも難しい。“バブル(隔離措置)”で外出もままならないなか、大会が終われば一旦帰宅する欧州勢の姿を見ては、日本から遠征する身のつらさを実感した。
遠征による心身の疲労を覚えているのは、オーストラリアのアシュリー・バーティも同様だ。オーストラリアへの入国者に課される2週間の完全隔離は、世界1位のアスリートといえど例外ではない。そのためバーティは今年3月に遠征に出て以来、一度も帰宅できずにいるという。
加えて今年は、年間ランキング上位8名で競われる「WTAファイナルズ」が、11月にメキシコで開催されることになった。既に出場権を獲得しているバーティだが、帰国後の2週間隔離の影響を考慮し、欠場すると見られている。
バーティのコーチは、「彼女は心身ともに疲れ切っていて、休みが必要だ」と語り、10月のパリバ・オープン欠場も示唆。来年1月の全豪オープンに備えるためにも、オフシーズンの重要性を説いた。
テニスの大会は毎週のように開催され、ファンもコートサイドに足を運び、外形的には、ツアーは元の姿を取り戻したようにも見える。
ただその構成要素は、決して以前と同じではない。
取材・文●内田暁
【PHOTO】世界で戦う日比野菜緒や土居美咲ら日本人女子テニスプレーヤー!