「無理をして、自分のいい部分を消してしまった。アンバランスだったので、少しずつ自分のテニスを取り戻しつつ、打つボールの質だけを上げていこうとしたんです」
そのバランスを模索するなかで、「ラケットや用具にも、すごくこだわるようになった」と西岡は言う。
今現在、西岡は今季からお披露目の新ラケット(VCORE)を使っているが、実際に使い始めたのは昨年中。それも、バランス等にも「1グラム単位で」こだわったという。
「シーズンの途中で新しいラケットを使うことは、トップ選手ではとても珍しいです」とは、前述の玉川氏の弁。それほどまでに昨年の西岡は、ラケットからストリングに至るまで細かく突き詰め、勝利の可能性が少しでも上がる術を模索した。
昨年の夏以降、結果を出すたびに「何を変えたのか?」と問われた西岡は、その都度「特に変えたことはない」と答えてきた。ただそれは、変化を求める姿勢が常態化していただけ。決して、何も変えてこなかったわけではない。
今年の全豪オープンに第31シードとして出場した西岡は、3つのストレート勝利をつかみ、4回戦ではカレン・カチャノフに0-6、0-6、6-7(4)で敗れた。立ち上がりから14ゲーム連続で失い、特に第2セットは2ポイントしか奪えぬ一方的な展開。
それでも彼は、「僕自身びっくりなんですが、あの状況でも、勝てるとすごく信じていた」と試合後に振り返った。現に第3セットは互角以上に渡りあい、ブレークのチャンスでも相手を上回る。
「あの状況から、あそこまで持っていった。自分としては、正直よくやったと思います」
過不足ない評価を、彼は自分自身に下した。
初めてグランドスラムの4回戦まで行ったことで、見える景色も変わってきたという。
「ここまで来たことに自信を持つべきだし、次のグランドスラムでの活躍を視野に入れて、今季はツアーを回れると思う。そこの気持ちだったり、ツアーの回り方を大きく変えていく年になるのかな」
それが可能であることは、彼自身の、この1年の足跡が証明している。
現地取材・文●内田暁
【画像】全豪オープン2023で熱戦を繰り広げた西岡良仁ら男子選手たちの厳選写真!
そのバランスを模索するなかで、「ラケットや用具にも、すごくこだわるようになった」と西岡は言う。
今現在、西岡は今季からお披露目の新ラケット(VCORE)を使っているが、実際に使い始めたのは昨年中。それも、バランス等にも「1グラム単位で」こだわったという。
「シーズンの途中で新しいラケットを使うことは、トップ選手ではとても珍しいです」とは、前述の玉川氏の弁。それほどまでに昨年の西岡は、ラケットからストリングに至るまで細かく突き詰め、勝利の可能性が少しでも上がる術を模索した。
昨年の夏以降、結果を出すたびに「何を変えたのか?」と問われた西岡は、その都度「特に変えたことはない」と答えてきた。ただそれは、変化を求める姿勢が常態化していただけ。決して、何も変えてこなかったわけではない。
今年の全豪オープンに第31シードとして出場した西岡は、3つのストレート勝利をつかみ、4回戦ではカレン・カチャノフに0-6、0-6、6-7(4)で敗れた。立ち上がりから14ゲーム連続で失い、特に第2セットは2ポイントしか奪えぬ一方的な展開。
それでも彼は、「僕自身びっくりなんですが、あの状況でも、勝てるとすごく信じていた」と試合後に振り返った。現に第3セットは互角以上に渡りあい、ブレークのチャンスでも相手を上回る。
「あの状況から、あそこまで持っていった。自分としては、正直よくやったと思います」
過不足ない評価を、彼は自分自身に下した。
初めてグランドスラムの4回戦まで行ったことで、見える景色も変わってきたという。
「ここまで来たことに自信を持つべきだし、次のグランドスラムでの活躍を視野に入れて、今季はツアーを回れると思う。そこの気持ちだったり、ツアーの回り方を大きく変えていく年になるのかな」
それが可能であることは、彼自身の、この1年の足跡が証明している。
現地取材・文●内田暁
【画像】全豪オープン2023で熱戦を繰り広げた西岡良仁ら男子選手たちの厳選写真!