専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
国内テニス

ジュニアテニス世界4位の齋藤咲良!“大人の大会”でも結果を残す無垢なる16歳が目指すもの<SMASH>

内田暁

2023.05.19

今年5月開催の「カンガルー・カップ」(写真)で齋藤は、大人たちを破って準々決勝進出を果たした。写真:内田暁

今年5月開催の「カンガルー・カップ」(写真)で齋藤は、大人たちを破って準々決勝進出を果たした。写真:内田暁

「大人の選手は、大事な場面や、少しでもボールが甘くなると、しっかりコートの中に入って打ってくる」

 そんなジュニアとの差を体感できることも、どこかうれしそうな風情だ。

 失う物のない強みで“大人”に挑めるのは、若さの特権。同時に、同世代の選手と戦う時に覚える重圧を打ち破る強さも、彼女は自身に求めている。

 そう思った大きな契機は、今年1月の全豪オープン・ジュニア。「いきなり第1シードになって、『えっ?』とびっくりした」という齋藤は、初戦敗退を喫した。

「勝ちたいではなく、勝たなきゃいけない」
 
 そんな心の在りどころの小さな誤差が、プレーにいかに大きな影響を及ぼすかを知る。同時にこの経験から、プレッシャーと付き合う術も、彼女は体得しはじめたようだ。南米での2大会連続優勝は、その一つの成果だろう。
 
 今季の目標は、「ジュニアでは、グランドスラムのシングルスでまずは2回戦突破し、そこから上位を狙いたい」とやや控えめ。

「一般では、ITF25K(25000ドル)以上の大会で優勝したい」

 そう言い一端は言葉を切るも、思いだしたように取材用レコーダーに顔を近づけ、「あと、たくさんポイントを取りたいです!」と明るく続けた。

 成熟しつつある技とフィジカルに、無垢なる上昇志向を備えて、大人の階段を駆け上がっていく。

齋藤咲良(さいとう・さら)
2006年10月3日生まれ、群馬県生まれ。

取材・文●内田暁

【画像】日本人トッププロたちの“懐かしジュニア時代”の秘蔵写真

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号