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国内テニス

【全日本ジュニアテニス】小さな町から巣立って大きな才能を開花させた17歳、小山ほのり挑戦の裏側<SMASH>

内田暁

2023.09.09

自身の進路について気持ちが揺れ動いていた時に参加した杉山愛さん(写真)のセミナーで小山の気持ちはガラッと変わった。写真:鈴木颯太朗、中村彰

自身の進路について気持ちが揺れ動いていた時に参加した杉山愛さん(写真)のセミナーで小山の気持ちはガラッと変わった。写真:鈴木颯太朗、中村彰

 ケガでコートを離れると、「同期に置き去りにされている」との焦燥が胸を圧する。物事をネガティブにとらえ、長年目指してきた目標にすら懐疑的になった。今年2月末にコートに戻るも、むしろ不安は厚く募っていったという。

 そんな折に目にしたのが、杉山愛氏が行なうオンラインセミナーの告知だった。ジュニア選手を対象としたセミナー参加者に応募したところ、当選。そのオンラインセミナーで、シングルス世界8位、ダブルス1位の実績を誇る日本女子代表監督と話せたことが、彼女にとって大きな転機になったという。
 
「進路のことも含めて杉山さんに相談したら、色々と意見をもらえて、そこでなんだろう……気持ちがガラッと変わったんです。プロになることに関して、ケガも含めて不安要素がたくさんあったんですが、杉山さんは、『今こういう素晴らしい環境にいて、テニスが大好きっていうだけで、それはプロに向いていると思う。プロになりたいという自分の意志があるんだったら、そこに向けて頑張ればいい』って言ってくださって。そこからは前向きに、頑張っていこうと思えました」
 
 この「ガラッと気持ちが変わった」体験のわずか1か月後。小山は恩人とも言える杉山に、実際に会う機会を得る。それが4月末に福井県で開催された、「大東建託オープンsupported by JWT50」だった。 「JWT50」とは、伊達公子や杉山ら、世界ランク50位以上を記録した日本女子選手たちによるOG会的組織。そのJWTにより、今年は複数の国際大会が創設された。大会の趣旨は、若手の育成。福井大会のトーナメントディレクターを務めたのは、杉山だった。

 小山もこの大会に、予選から参戦する。

「この頃はだんだんテニスが良くなっていたし、それは本当に杉山さんのお陰という思いがありました。その杉山さんがトーナメントディレクターとしていらっしゃるので、より一層気合いが入っていました」

 大会参戦時の想いを、小山が述懐する。果たして小山は、予選2試合で勝利し本戦へ。本戦は初戦で敗れたが、プレーも気持ちも、確実に上向きになるのを感じていた。
 
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