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海外テニス

聖地イギリスより台湾国籍を選んだ女子テニス選手、恵まれた環境で力を付け全仏OPで開花!<SMASH>

内田暁

2025.05.29

2018年の全豪オープンジュニアでは日本の佐藤久真莉(左)とダブルスを組んだガーランド(右)。(C)Getty Images

2018年の全豪オープンジュニアでは日本の佐藤久真莉(左)とダブルスを組んだガーランド(右)。(C)Getty Images

「赤土のコートが自由に使えたんです! イギリスにいた時は週に3~4回くらいしか練習できなかったのに、台湾では毎日できるようになったんです。そのおかげで、急速に上達できた。台湾での数カ月は、イギリスの1年のように感じられました」

 成長の実感は勝利につながり、勝利の喜びは、さらなる成長へのモチベーションとなる。国内のトップ10、そしてトップ3と地位が上がるにつれ、より真剣にテニスに打ち込み、夢に明確な輪郭を描けるようにもなってくる。13歳の頃にはジュニアの国際大会に出場し、やがてグランドスラムジュニアに出場するという、プロへの順路を歩みだした。

 プロ転向後はケガも多く、思うように結果を出せなかったこともある。コーチや練習環境も含めて迷い悩んだ時期もあったが、2024年に今の陣営を固め、快進撃が始まった。24年末には、ITF大会で5大会連続優勝。準優勝を挟み、さらに2大会連続優勝という特大の上昇気流へと飛び乗る。
 
 キャリア最高の175位に達した状態で迎えた今回の全仏予選では、3連続ストレート勝利で本戦に到達。本戦初戦でも、65位のケーティ・ボリネッツ(アメリカ)に接戦の末に勝利した。ITF大会優勝は16を数え、その中には、静岡県浜松市開催のITF/25K大会も含まれる。

「当面の夢だった」というグランドスラム本戦出場が全仏オープンで叶ったことに、彼女はある種の必然を感じているという。

「12歳の時に、時計ブランドのロンジンが主催したジュニア大会に参加し、その時にローランギャロスに来て試合を見ました。日本からは、佐藤久真莉が参加していたと思います。グランドスラムジュニアでのベストの戦績を残したのも全仏だし、初めてグランドスラム予選に出たのもここ。それも最後の枠で滑り込んだんです。だからローランギャロスとは、深い縁を感じます」

 その縁はパリから遠く離れた台湾で、13年前から紡がれていた。

現地取材・文●内田暁

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