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国内テニス

会社員やコーチらの大きな目標“ベテランテニス全日本への道”を三冠王者に聞く |入門編

甘利隆

2021.01.04

試合後すぐに職場へと直行する人も

 ベテラン選手は働き盛りの年代が多いだけに仕事との両立も難しそうだ。年間2~3大会に出場するという崔さんは、周囲から理解を得ることが大切だと説く。

「そのあたりは(石井テニスアカデミーの)石井代表の理解が大きいです。朝早くから会場に行ってもシングルスとダブルス両方に出場すると、試合が長引いてレッスンに遅れてしまうこともあります。また、地方の大会で勝ち進むと何日間もかかってしまうので、そこも助けてもらっています。
 会社員の皆さんは仕事をあらかじめ片付けておいて試合に出たりしていますし、自分の試合が終わったらすぐに職場へと直行する人もいます。(山梨県甲府市が拠点の)自分の場合は、会場が(東京都昭島市の)昭和の森だったら試合が終わったらすぐに戻ってレッスンをして、翌朝、試合に向かうといったことはやっています」
 
 スケジュール調整はもちろんだが、予算の管理もしっかりしなければ全日本ベテランへの道は拓けない。その様子はちょっとしたプロのようでもある。選手たちはさざざまな工夫をしている。

「エントリーフィーだけでなく、地方の大会だったら宿泊代などもかかります。時間もお金もかかるので大変ですね。全日本ベテランに出場するレベルの方だと元プロやコーチでなくてもプライベートレッンを頼まれることがあるそうで、それを遠征費などに充てている方も多いようです。ある意味すごいですよね(笑)」

 テニスの実力はもちろん、体調や時間の管理能力も問われるベテランテニスでは、社会経験を通じて身につけたマネジメントスキルも生かすことができそうだ。
 
 次回は実際の試合で必須となるテクニック、強くなる人たちの共通点などについてお話ししていただく。

※実践編に続く

崔 城薫(チョイ・ソンフン 1966年3月14日生まれ)
13歳の時に初めてテニスラケットを握る。1988年に明知(ミョンジ)大学を卒業後、1989年よりLGに所属してプロ活動を開始。27歳で引退し、指導者に転向後、2001年に来日。現在は石井弘樹氏が主宰する山梨県甲府市の石井テニスアカデミーでジュニアを中心に指導に当たる。元韓国代表。韓国ランキング最高6位。

取材・文●甘利隆
東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super
 

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