女子テニス元世界ランキング1位の大坂なおみ(現16位)が、今年9月の全米オープンで現役を引退した女子元4位のカロリーヌ・ガルシア(フランス/32歳)と元コーチのパトリック・ムラトグル氏(フランス/55歳)が進行役を務めるポッドキャスト『Tennis Insider Club』に出演。その中で産休期間が「自分に多くのことを気付かせてくれた」と振り返った。
28歳の大坂は2023年1月に妊娠を公表し、7月に第一子の女児を出産。翌24年1月にツアー復帰を遂げると、そこからしばらくは苦戦を強いられたものの、迎えた今季は一気に復調し、開幕戦の「ASBクラシック」(ハードコート/WTA250)と8月の「ナショナルバンク・オープン」(ハード/WTA1000)のツアー2大会で準優勝。5月の下部大会「サン・マロ・オープン35」(クレー/WTA125)では優勝を飾り、9月の全米オープン(ハード)では出産後初の四大大会ベスト4進出を果たしていた。
一時消滅していた世界ランキングも大幅に回復し、現在は16位と21年以来のトップ10復帰も迫ってきている大坂。過去4度の四大大会優勝を誇る彼女は産休中にテニスとの向き合い方が大きく変わり、「大切な時間」の中で自分がテニス界に何をもたらせるかを自問自答していたと明かす。
実は2回戦を試合前に棄権した22年9月の「東レ パン パシフィック オープン」(東京/WTA500)がキャリア最後の試合になる可能性もあったと大坂は言う。
当時は「勝つことが当然」とされるトップ選手ならではの重圧に押しつぶされ、若い頃にあった「勝ちたい」や「全力を尽くしたい」という気持ちが薄れていたとのこと。仮に勝っても「うれしい」より「ホッとする」感覚の方が強くなり、「プレーを続ける価値があるとは思えなくなった」との考えにまで至ったそうだ。
しかし妊娠から出産、その後の休養期間において、大坂の中でマインドチェンジが起きた。
「勝つためにコートに戻る」のではなく、「娘に自分が戦う姿を見せたい」という思いが強くなった。「テニスは私の人生にとってすごく大きなもの。少なくとも10回くらいは、私がプレーするところを娘に見せたい」と今後に向けての並々ならぬ意欲も見せている。
「産後に復帰し、そこから以前の強さを取り戻すのは本当に大変なこと。世界のトップ選手たちと戦うことも、絶対に簡単なことではない。それでも私はまず、離脱した時よりも“良い選手”にならなければと思っている。
でももしそれが簡単にできていたとしたら、逆に今私は『また頑張ろう』とは思わなかったはず。“挑戦”こそが一番楽しいから。負けるのは最悪だけど、今の私はその一つひとつから何かを学んでいるように感じるし、学んでいくこと自体に楽しみを見出せている」
大坂は8年ぶりに出場した先月の「ジャパン・オープン」(大阪/WTA250)で8強入りしたが、ジャケリン・クリスチャン(ルーマニア/現39位)との準々決勝を左足の負傷により試合前に棄権。その直後に出場を予定していた「東レ パン パシフィック オープン」は欠場し、今季を終了した。
文●中村光佑
【画像】大坂なおみが存在感を示した「全米オープン2025」フォトギャラリー
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28歳の大坂は2023年1月に妊娠を公表し、7月に第一子の女児を出産。翌24年1月にツアー復帰を遂げると、そこからしばらくは苦戦を強いられたものの、迎えた今季は一気に復調し、開幕戦の「ASBクラシック」(ハードコート/WTA250)と8月の「ナショナルバンク・オープン」(ハード/WTA1000)のツアー2大会で準優勝。5月の下部大会「サン・マロ・オープン35」(クレー/WTA125)では優勝を飾り、9月の全米オープン(ハード)では出産後初の四大大会ベスト4進出を果たしていた。
一時消滅していた世界ランキングも大幅に回復し、現在は16位と21年以来のトップ10復帰も迫ってきている大坂。過去4度の四大大会優勝を誇る彼女は産休中にテニスとの向き合い方が大きく変わり、「大切な時間」の中で自分がテニス界に何をもたらせるかを自問自答していたと明かす。
実は2回戦を試合前に棄権した22年9月の「東レ パン パシフィック オープン」(東京/WTA500)がキャリア最後の試合になる可能性もあったと大坂は言う。
当時は「勝つことが当然」とされるトップ選手ならではの重圧に押しつぶされ、若い頃にあった「勝ちたい」や「全力を尽くしたい」という気持ちが薄れていたとのこと。仮に勝っても「うれしい」より「ホッとする」感覚の方が強くなり、「プレーを続ける価値があるとは思えなくなった」との考えにまで至ったそうだ。
しかし妊娠から出産、その後の休養期間において、大坂の中でマインドチェンジが起きた。
「勝つためにコートに戻る」のではなく、「娘に自分が戦う姿を見せたい」という思いが強くなった。「テニスは私の人生にとってすごく大きなもの。少なくとも10回くらいは、私がプレーするところを娘に見せたい」と今後に向けての並々ならぬ意欲も見せている。
「産後に復帰し、そこから以前の強さを取り戻すのは本当に大変なこと。世界のトップ選手たちと戦うことも、絶対に簡単なことではない。それでも私はまず、離脱した時よりも“良い選手”にならなければと思っている。
でももしそれが簡単にできていたとしたら、逆に今私は『また頑張ろう』とは思わなかったはず。“挑戦”こそが一番楽しいから。負けるのは最悪だけど、今の私はその一つひとつから何かを学んでいるように感じるし、学んでいくこと自体に楽しみを見出せている」
大坂は8年ぶりに出場した先月の「ジャパン・オープン」(大阪/WTA250)で8強入りしたが、ジャケリン・クリスチャン(ルーマニア/現39位)との準々決勝を左足の負傷により試合前に棄権。その直後に出場を予定していた「東レ パン パシフィック オープン」は欠場し、今季を終了した。
文●中村光佑
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