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海外テニス

2時間超えの熱戦で左足負傷、目には涙…「多くのことが起こった」ジャパンOP2回戦で大坂なおみが執念の勝利 <SMASH>

内田暁

2025.10.16

地元・大阪でのジャパンOP2回戦。左足を痛めながらも粘り強く戦い抜いた大坂が、ラメンスをフルセットで下し8強入りを果たした(写真は先週の大会)。(C)Getty Images

地元・大阪でのジャパンOP2回戦。左足を痛めながらも粘り強く戦い抜いた大坂が、ラメンスをフルセットで下し8強入りを果たした(写真は先週の大会)。(C)Getty Images

 2本連続エースの幕明けに、地元大阪市のファンは、喜びと驚きの混じる声を漏らす。

 対して相手は、2本連続ダブルフォールトでのサービスゲームスタートとなった。「木下グループジャパンオープンテニス女子」のシングルス2回戦、大坂なおみ(世界ランキング16位)対スーザン・ラメンス(オランダ/同57位)。

 ラメンスは昨年の同大会優勝者ながら、今年6月の初対戦時では大坂が6-2、6-2で快勝している。そして今回の再戦でも、大坂が8ポイント連取で、2ゲームを奪取。

 どうやら大坂が、圧勝しそうだ――そのような期待が膨れると共に、緊張感は薄れていった。

 そのやや弛緩した空気感が一変するのに、さほど時間は要さない。直後のゲームでブレークを許した大坂は、相手に4ゲーム連取を許したのだ。ラメンスはサービスの威力こそないが、時速120キロ台のセカンドサービスに、大坂はむしろタイミングをつかみあぐねる。バックサイドを丹念に、異なる球種で突いてくる戦略にも、大坂はリズムを乱された。

 それでもゲームカウント3-5と後がなくなったところから、心とプレーを引き締める。高速サービスで自身のゲームをキープすると、リターンで圧力をかけブレークバックで追いつく。もつれ込んだタイブレークでも、一進一退の攻防を競り勝った。
 
 これで大坂が加速し、一気に勝利まで走るかに思われた第2セット。だがラメンスのプレーレベルや集中力は、全く落ちる気配を見せない。大坂がフォアの強打でコーナーに振っても、より鋭角にランニングショットが返ってくる。相手のショットがライン際を捉えるたび、大坂はその事実が受け入れられないといった風情で、コーチングボックスに視線を送る。

「正直に言うと、彼女(ラメンス)は私が予想していたよりはるかに良いプレーをしていた」と、大坂が述懐する。

「日頃から、相手から何かを期待してはいけないと心掛けているけれど、それでも今日の彼女は、本当に良いプレーをした」

 戦前に、あるいは試合途中で抱いたイメージと、実際に飛んでくるボールとの乖離。「感情を制御するのが、今日はとても難しかった」と認める大坂は、目に見えて落胆し、ボールを追わず見送る場面も。後に大坂はファンに向け、「良くない態度を見せてしまって、ごめんなさい」と詫びている。第2セットは前年優勝者のラメンスが、6-3で手堅くものにした。
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