女子テニス元世界ランキング1位で四大大会4勝を誇る大坂なおみ(現48位)のコーチを務める名将パトリック・ムラトグル氏(フランス/54歳)が、海外テニス専門メディア『Tennis Majors』のインタビューに回答。大坂が先週行なわれた下部大会「サン・マロ・オープン35」(4月28日~5月4日/フランス・サン・マロ/クレーコート/WTA125)を制したことを受け、「彼女はクレーコートでいいテニスをする準備ができている」と布告した。
27歳の大坂は今季のクレーシーズン初戦として臨んだWTA1000大会「ムチュア・マドリード・オープン」(4月22日~5月4日/スペイン・マドリード)の1回戦でルシア・ブロンゼッティ(イタリア/現58位)に4-6、6-2、4-6で惜敗。その直後に「サン・マロ・オープン35」の本戦ワイルドカード(主催者推薦)を獲得し、第2シードとして参戦した。
実に9年半ぶりのツアー下部大会出場となった大坂は、ペトラ・マルチンコ(クロアチア/現223位)とエルサ・ジャクモ(フランス/現140位)にストレート勝ちし、ディアーヌ・パリー(フランス/元48位/現102位)とレオリア・ジャンジャン(フランス/現104位)にはフルセットで勝利して決勝へ進出。最後はノーシードのカヤ・ユバン(スロベニア/現356位)を6-1、7-5で下し、プロ転向から約12年にしてクレーでの初タイトルを獲得するとともに、うれしい出産後初の公式戦優勝を飾った。
下部大会ながら、大坂にとっては特にメンタル面で「非常にタフだった」とムラトグル氏は総括する。大坂が長くクレーに苦手意識を持っていることに加え、大会のレベル的に負けが許されないというプレッシャーも大きかったと振り返った。
「ナオミはマドリードで初戦敗退していたから、自信の面でも難しい状態で大会に臨んでいた。また、彼女はクレーコートを得意としていない上に、WTA125というレベルの大会で“絶対に負けられない”という重圧もあった。そういった要素が重なり、彼女にはかなりのプレッシャーがかかっていた」
大坂が「サン・マロ・オープン」に出場したのは「試合勘を養う」ためで、「クレーで良い感覚をつかむための勝利が必要だった」とも語ったムラトグル氏。3月下旬の「マイアミ・オープン」(WTA1000)を終えてから、自身が運営するテニスアカデミーのクレーコートでハードなトレーニングを積んできた大坂を見て、「彼女がクレーでうまくプレーできることを全く疑っていなかった」という。
さらに同氏は大坂がクレーに苦手意識を持っているのは「単なる経験不足」が理由だと指摘し、「彼女が赤土のサーフェスでうまくプレーできない明確な理由は一つもない」と断言。今回の優勝で「十分な試合数と良い結果を得る」という目的を果たした今、「彼女はクレーで最高のテニスをする準備ができていると思う」と期待を寄せた。
この後は間もなく開幕するツアー公式戦「イタリア国際」(イタリア・ローマ/WTA1000)への出場を予定している大坂。厳しい戦いにはなるだろうが、次戦でもさらなる活躍を期待したい。
文●中村光佑
【画像】「サン・マロ・オープン35」で優勝を飾った大坂の喜びの投稿
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27歳の大坂は今季のクレーシーズン初戦として臨んだWTA1000大会「ムチュア・マドリード・オープン」(4月22日~5月4日/スペイン・マドリード)の1回戦でルシア・ブロンゼッティ(イタリア/現58位)に4-6、6-2、4-6で惜敗。その直後に「サン・マロ・オープン35」の本戦ワイルドカード(主催者推薦)を獲得し、第2シードとして参戦した。
実に9年半ぶりのツアー下部大会出場となった大坂は、ペトラ・マルチンコ(クロアチア/現223位)とエルサ・ジャクモ(フランス/現140位)にストレート勝ちし、ディアーヌ・パリー(フランス/元48位/現102位)とレオリア・ジャンジャン(フランス/現104位)にはフルセットで勝利して決勝へ進出。最後はノーシードのカヤ・ユバン(スロベニア/現356位)を6-1、7-5で下し、プロ転向から約12年にしてクレーでの初タイトルを獲得するとともに、うれしい出産後初の公式戦優勝を飾った。
下部大会ながら、大坂にとっては特にメンタル面で「非常にタフだった」とムラトグル氏は総括する。大坂が長くクレーに苦手意識を持っていることに加え、大会のレベル的に負けが許されないというプレッシャーも大きかったと振り返った。
「ナオミはマドリードで初戦敗退していたから、自信の面でも難しい状態で大会に臨んでいた。また、彼女はクレーコートを得意としていない上に、WTA125というレベルの大会で“絶対に負けられない”という重圧もあった。そういった要素が重なり、彼女にはかなりのプレッシャーがかかっていた」
大坂が「サン・マロ・オープン」に出場したのは「試合勘を養う」ためで、「クレーで良い感覚をつかむための勝利が必要だった」とも語ったムラトグル氏。3月下旬の「マイアミ・オープン」(WTA1000)を終えてから、自身が運営するテニスアカデミーのクレーコートでハードなトレーニングを積んできた大坂を見て、「彼女がクレーでうまくプレーできることを全く疑っていなかった」という。
さらに同氏は大坂がクレーに苦手意識を持っているのは「単なる経験不足」が理由だと指摘し、「彼女が赤土のサーフェスでうまくプレーできない明確な理由は一つもない」と断言。今回の優勝で「十分な試合数と良い結果を得る」という目的を果たした今、「彼女はクレーで最高のテニスをする準備ができていると思う」と期待を寄せた。
この後は間もなく開幕するツアー公式戦「イタリア国際」(イタリア・ローマ/WTA1000)への出場を予定している大坂。厳しい戦いにはなるだろうが、次戦でもさらなる活躍を期待したい。
文●中村光佑
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