競走馬のなかで「せん馬」とは、去勢した馬のことである。一般的にサラブレッドは去勢すると精神的に落ち着きが出ると言われ、気性が荒くて競走に集中できない馬は、メンタルな穏やかさを求めて去勢が行なわれることがままある。
日本では去勢することがとても少ない国で、逆に米国、豪州では馬の取り回しが良くなるため比較的簡単に去勢がなされるし、生産活動を行なっていない香港では、輸入される牡馬のほぼすべてが去勢され、せん馬として競走生活を送る。
日本にまつわる有名な外国調教のせん馬は少なくない。1982年の第2回ジャパンカップ(GⅠ)に参戦した米国のジョンヘンリーは、G1レース16勝という最多勝利記録を現在も保持する「せん馬の世界的アイコン」とも言える存在で、引退後に米国の競馬殿堂入りを果たしている。
1990年の第10回ジャパンカップを制した豪州のベタールースンアップもせん馬で、G1レース8勝を挙げて、豪州で競馬殿堂入りした。また豪州調教馬としては、2006年のスプリンターズステークス(GⅠ)を制したテイクオーバーターゲットや、2005~2007年にかけて中山グランドジャンプ(J・GⅠ)を3連覇したカラジもせん馬である。2002年の中山グランドジャンプを勝った、せん馬のセントスティーヴンはニュージーランド調教馬だった。
これが香港になると夥しい数と言えるほど日本でたくさんの勝ち星を挙げている。安田記念(GⅠ)を制したのは、2000年のフェアリーキングプローン、2006年のブリッシュラック、まだ記憶に新しい2024年のロマンチックウォリアーの3頭。高松宮記念(GⅠ)を勝ったのは2015年のエアロヴェロシティ。スプリンターズステークスの優勝馬には、2005年のサイレントウィットネス、2010年のウルトラファンタジーがいる。さすが"短距離王国"と言われる香港らしい実績である。
翻って日本馬では、クラシック競走や天皇賞がせん馬に開放されていないという事情もあって平地芝のGⅠホースは少なく、わずか3頭しかいない。1993年のジャパンカップを制したレガシーワールド、翌年の同レースを制覇するマーベラスクラウン、2002年のマイルチャンピオンシップを優勝したトウカイポイントだ。今回は日本で初めてせん馬としてGⅠを勝った個性派の名馬、レガシーワールドをクローズアップする。
日本では去勢することがとても少ない国で、逆に米国、豪州では馬の取り回しが良くなるため比較的簡単に去勢がなされるし、生産活動を行なっていない香港では、輸入される牡馬のほぼすべてが去勢され、せん馬として競走生活を送る。
日本にまつわる有名な外国調教のせん馬は少なくない。1982年の第2回ジャパンカップ(GⅠ)に参戦した米国のジョンヘンリーは、G1レース16勝という最多勝利記録を現在も保持する「せん馬の世界的アイコン」とも言える存在で、引退後に米国の競馬殿堂入りを果たしている。
1990年の第10回ジャパンカップを制した豪州のベタールースンアップもせん馬で、G1レース8勝を挙げて、豪州で競馬殿堂入りした。また豪州調教馬としては、2006年のスプリンターズステークス(GⅠ)を制したテイクオーバーターゲットや、2005~2007年にかけて中山グランドジャンプ(J・GⅠ)を3連覇したカラジもせん馬である。2002年の中山グランドジャンプを勝った、せん馬のセントスティーヴンはニュージーランド調教馬だった。
これが香港になると夥しい数と言えるほど日本でたくさんの勝ち星を挙げている。安田記念(GⅠ)を制したのは、2000年のフェアリーキングプローン、2006年のブリッシュラック、まだ記憶に新しい2024年のロマンチックウォリアーの3頭。高松宮記念(GⅠ)を勝ったのは2015年のエアロヴェロシティ。スプリンターズステークスの優勝馬には、2005年のサイレントウィットネス、2010年のウルトラファンタジーがいる。さすが"短距離王国"と言われる香港らしい実績である。
翻って日本馬では、クラシック競走や天皇賞がせん馬に開放されていないという事情もあって平地芝のGⅠホースは少なく、わずか3頭しかいない。1993年のジャパンカップを制したレガシーワールド、翌年の同レースを制覇するマーベラスクラウン、2002年のマイルチャンピオンシップを優勝したトウカイポイントだ。今回は日本で初めてせん馬としてGⅠを勝った個性派の名馬、レガシーワールドをクローズアップする。