10月19日、3歳牝馬三冠の最終戦となる秋華賞(GⅠ、京都・芝2000m)が行なわれ、単勝2番人気に推されたエンブロイダリー(美浦・森一誠厩舎)が、逃げた5番人気のエリカエクスプレス(栗東・杉山晴紀厩舎)をゴール寸前で捉えて優勝。春の桜花賞(GⅠ)に次いでの勝利で、二冠牝馬として復権を遂げた。
3着には6番人気のパラディレーヌ(栗東・千田輝彦厩舎)が追い込み、4番人気のジョスラン(美浦・鹿戸雄一厩舎)、3番人気のセナスタイル(栗東・安田翔伍厩舎)が4、5着に入着。上位人気の馬が掲示板を占めることになった。
一方、単勝オッズ2.1倍の圧倒的1番人気に推されたオークス馬カムニャック(栗東・友道康夫厩舎)は好位置で先行したものの、4コーナーからズルズルと後退し、見せ場なく16着に敗れ、ファンのため息を誘った。
今年の秋華賞がこうした結果になった要因は大きく分けて3つある。まず第一は、カムニャックの不可解な大敗である。
川田将雅騎手が「止まり方が異常なので、まずは無事であってほしい」と語ると、友道調教師は「ゲートの中で立ち上がりましたが、イレ込んでもないし、道中で力んでもいませんでした。ルメール騎手の馬(エンブロイダリー)に抜かれたとき、馬が変わったかのように進んでいきませんでした」とコメントし、両者ともこの大敗をどう受け入れていいのか戸惑うような発言を残している。
筆者の見た目では、パドックでは周回を重ねるうちに首を上下してイレ込むような仕草が激しくなり、ゼッケン下にすれて白く泡立った発汗がやけに目立っていた。ちなみにオークスを制覇時のパドックや返し馬の映像を見直してみたが、環境の差はあるものの、今回ほど首の上下や発汗が目に付くようなことはなかった。やはりメンタルに何らかの異変があったのではないかと疑わざるを得ない。
そしてカムニャックはゲート前に集合した時点でもかなり激しい素振りや発汗が目立っており、ゲートインしたあとに立ち上がったり首を上下したりと、せわしない動きを見せ、ファンをやきもきさせている。結果、スターターがいいタイミングでゲートを開けたため出遅れこそしなかったが、いかにも危ういスタートであった。
レース中の走りに関しては友道調教師がコメントしている通りスムーズに見えたが、エンブロイダリーがカムニャックの外を通って位置を押し上げた直後から鞍上の手が激しく動き出し、直線の入り口では手応えをなくして後退するばかりだった。
現状として明確な敗因は断定しかねるが、カムニャックのメンタルかフィジカル、もしくはその両方に異変が起きていたことは確かだろう。安定した成績を収め続けていたものの、特にメンタルに繊細な部分を持つ牝馬のこと。こうしたケースが起こるのは仕方ないのかもしれない。
3着には6番人気のパラディレーヌ(栗東・千田輝彦厩舎)が追い込み、4番人気のジョスラン(美浦・鹿戸雄一厩舎)、3番人気のセナスタイル(栗東・安田翔伍厩舎)が4、5着に入着。上位人気の馬が掲示板を占めることになった。
一方、単勝オッズ2.1倍の圧倒的1番人気に推されたオークス馬カムニャック(栗東・友道康夫厩舎)は好位置で先行したものの、4コーナーからズルズルと後退し、見せ場なく16着に敗れ、ファンのため息を誘った。
今年の秋華賞がこうした結果になった要因は大きく分けて3つある。まず第一は、カムニャックの不可解な大敗である。
川田将雅騎手が「止まり方が異常なので、まずは無事であってほしい」と語ると、友道調教師は「ゲートの中で立ち上がりましたが、イレ込んでもないし、道中で力んでもいませんでした。ルメール騎手の馬(エンブロイダリー)に抜かれたとき、馬が変わったかのように進んでいきませんでした」とコメントし、両者ともこの大敗をどう受け入れていいのか戸惑うような発言を残している。
筆者の見た目では、パドックでは周回を重ねるうちに首を上下してイレ込むような仕草が激しくなり、ゼッケン下にすれて白く泡立った発汗がやけに目立っていた。ちなみにオークスを制覇時のパドックや返し馬の映像を見直してみたが、環境の差はあるものの、今回ほど首の上下や発汗が目に付くようなことはなかった。やはりメンタルに何らかの異変があったのではないかと疑わざるを得ない。
そしてカムニャックはゲート前に集合した時点でもかなり激しい素振りや発汗が目立っており、ゲートインしたあとに立ち上がったり首を上下したりと、せわしない動きを見せ、ファンをやきもきさせている。結果、スターターがいいタイミングでゲートを開けたため出遅れこそしなかったが、いかにも危ういスタートであった。
レース中の走りに関しては友道調教師がコメントしている通りスムーズに見えたが、エンブロイダリーがカムニャックの外を通って位置を押し上げた直後から鞍上の手が激しく動き出し、直線の入り口では手応えをなくして後退するばかりだった。
現状として明確な敗因は断定しかねるが、カムニャックのメンタルかフィジカル、もしくはその両方に異変が起きていたことは確かだろう。安定した成績を収め続けていたものの、特にメンタルに繊細な部分を持つ牝馬のこと。こうしたケースが起こるのは仕方ないのかもしれない。