専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ゴルフ

渋野日向子に立ちふさがる壁。パッティングの不調で陥る悪循環【三菱電機レディス】

山西英希

2020.11.01

無心で戦えていた昨年とは異なる自分にもがき苦しむ渋野。しかしこれは多くの選手がぶつかる壁だ。(C)Getty Images

無心で戦えていた昨年とは異なる自分にもがき苦しむ渋野。しかしこれは多くの選手がぶつかる壁だ。(C)Getty Images

 国内ツアーの『樋口久子三菱電機レディス』2日目、32位タイからの巻き返しを狙った渋野日向子だが、この日は2バーディ、3ボギー、2ダブルボギーの『77』を叩き、通算5オーバーの67位タイと後退。カットラインの2オーバーに及ばず、自身の目標であった予選通過は叶わなかった。これで今季は開幕戦の『アース・モンダミンカップ』に続き、国内ツアーでは2試合連続の予選落ちとなった。

【シブコPHOTO】笑顔弾ける渋野日向子の厳選ショット!プロテスト時の貴重な一枚も

 渋野にとっては、39を叩いた前日の後半よりもつらいラウンドだったのではないか。ティショットこそフェアウェイをとらえるものの、肝心のセカンドショットがピンに寄らない。それどころか、グリーンを外してからのアプローチとパットでボールを思うようにコントロールできないのだ。

 5番パー4では3打目のアプローチがグリーンをオーバーし、返しのアプローチも4メートルほどオーバー。ボギーパットを決め切れずにダブルボギーを叩く。さらに、7番パー4でもアプローチがピンを6メートルほどオーバーした結果、ダブルボギーに。結局、前半のハーフだけで41を叩いてしまった。
 
「58度だけでなく、他のクラブを使って簡単に寄せられるように練習していかないと……」と悔しい表情を見せた渋野。オフの間に転がしやロブショットなどを練習し、海外遠征でアプローチのバリエーションを増やしたにもかかわらず、それが機能しなかったのは自分でも納得がいかないところだろう。ただ、この日は全体的にアプローチが少し強めのタッチだったが、その原因はパッティングの不調にあるのではないか。2メートル以下の距離を沈める自信がないため、どうしてもOKの距離にまで寄せたいと考える。それが渋野のタッチを微妙に狂わせたように感じられた。

「数字がよかったパッティングが足を引っ張っていることがものすごくつらいです。元々パッティングが得意というわけではありませんが、去年よかったぶん、どうしても今と比べてしまいます。去年はどう打っていたんだろうと考えたり……」

 確かに、昨年の平均パット数はパーオンホールでは1.7582で2位になっている。1ラウンド当たりの平均パット数も29.1144で5位だった。しかし、単なる数字以上に渋野のパッティングで印象深かったのは、ここ一番でのパッティングをほぼ沈めていたことだ。自身もそのイメージが残っているぶん、どうしても昨年と比べてしまうのだろう。
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号