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ゴルフ

渋野日向子に立ちふさがる壁。パッティングの不調で陥る悪循環【三菱電機レディス】

山西英希

2020.11.01

 海外遠征では最後までパッティングに悩まされ続けた。クロスハンドグリップを試したり、元の握りに戻したりと試行錯誤を繰り返していたが、日本にはない芝にも苦しめられ、徐々に自信を失っていった。

 心配なのはこのままパッティングの自信を取り戻さなければ、アプローチ以外にも悪影響を与えることだ。アプローチが寄らないと思うあまり、今度はグリーンを外したくないと考える。そのためにはセカンドショットをフェアウェイから打ちたいと思い、ティショットにもプレッシャーがかかる。「ショットに関してはちょっとずつよくなってきてると思います」とショットに対する自信を回復しつつあるだけに、なんとかパッティングの不調で食い止めたいところだ。
 
 逆に言うと、パッティングさえよくなればアプローチで無理して寄せる必要がないと思えるし、アイアンショットではグリーンを外しても平気だと考えられる。最終的にティショットにかかるプレッシャーも小さくなるという好循環を迎えられる。「何回悔しい思いを経験したらいいんだろう。でもこれが実力ですよね。去年がうまくいきすぎました」と渋野。今は苦しい時期かもしれないが、どんな選手にでも必ず壁が立ちふさがるときはある。それを乗り越えたとき、さらなる成長が待っていることを信じて前に進むしかない。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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