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【朝日杯FS】フランケル産駒の良血、グレナディアガーズが低評価を覆して快勝。その要因は?

三好達彦

2020.12.21

「性格の難しさを出さないよう、馬の気分を害さないように走らせたいと考えていました」と手綱をとった川田騎手は語った。写真:産経新聞社

「性格の難しさを出さないよう、馬の気分を害さないように走らせたいと考えていました」と手綱をとった川田騎手は語った。写真:産経新聞社

 2歳のマイル王を決める朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ、芝1600m)が阪神競馬場で行われ、単勝7番人気のグレナディアガーズ(牡2歳/栗東・中内田充正厩舎)が優勝。1分32秒3は2歳のコースレコードだった。2番人気のステラヴェローチェ(牡2歳/栗東・須貝尚介厩舎)が3/4馬身差の2着に入り、1番人気のレッドベルオーブ(牡2歳/栗東・藤原英昭厩舎)は、そこからさらに1馬身半差の3着に敗れた。

 想像外の激走だった。前月、デビュー3戦目の未勝利戦を勝ち上がったばかりの”伏兵”グレナディアガーズの堂々たるレースぶりに、多くの関係者やファンは呆気に取られたのではないだろうか。

 ゲートが開くと、ブルースピリットが飛び出すが、気合を付けられたモントライゼがそれを制して先頭を奪い、ぐんぐんと飛ばして後続を引き離していく。モントライゼが離れた2番手、その外にグレナディアガーズが好位置をキープ。今回も”行きたがる”素振りを見せるレッドベルオーブ、リラックスした走りに見えるステラヴェローチェが追走していった。
 
 逃げるモントライゼが刻んだ1000mの通過ラップは56秒9と、2歳GⅠとはいえ、かなりのハイペース。数馬身離れて追走する後続集団に有利な展開になった。

 直線へ向くと、馬群から抜け出してきたグレナディアガーズが逃げバテたモントライゼをかわして、早めに先頭に躍り出てゴールを目指す。そこへステラヴェローチェとレッドベルオーブが襲い掛かるが、道中は力まずに追走したグレナディアガーズの末脚は粘り強く、追いすがる2頭を振り切ってゴール。中団を進んでいた5番人気のドゥラモンドとホウオウアマゾンは伸びきれずに7着、9着に、逃げたモントライゼは最後に浸から尽きて10着に終わった。

 グレナディアガーズは、父が14戦無敗でマイル戦を中心にG1レース10勝を挙げたフランケル。日本でもソウルスターリング(阪神ジュベナイルフィリーズ、オークス)、モズアスコット(安田記念、フェブラリーステークス)など日本でも活躍馬を出している世界的な人気種牡馬だ。また母のウェイヴェルアヴェニューも米国のG1、ブリーダーズカップ・フィリー&メアスプリントの勝ち馬。いわゆる良血の”持込馬”であるグレナディアガーズの、クラブ(サンデーレーシング)での募集価格は1口300万円×40口で、総額1億2000万円という高額馬である。
 

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