フィギュア

「スケートが自分の中で苦しい」本田真凜がジャンプで苦戦。全日本選手権で復活するためのカギとは?

辛仁夏

2020.12.24

25日開幕の全日本選手権に出場を予定している本田真凜。写真:徳原隆元

 16年世界ジュニア女王の本田真凜が、6年連続で25日開幕の全日本選手権(長野)に出場する。今季は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、ほとんどの国際大会が開かれず、国内の地域ブロック大会や東日本・西日本選手権、そして国内仕様のNHK杯が開催され、本田も東京選手権(総合7位)、東日本選手権(総合10位)、NHK杯(総合9位)とここまで3試合を戦ってきた。今年は、選考大会をぎりぎりで通過して、全日本出場切符を辛うじて手に入れての参戦だ。

 ジュニア時代は輝かしい成績を残す活躍が光った本田は、可憐な演技とキュートな容姿で一躍人気者になり、2018年平昌五輪代表を目指して2017-18シーズンに鳴り物入りでシニアデビューを飾った。しかし、グランプリ(GP)シリーズの初陣でいきなりシニアの洗礼を受けた。ジャンプがことごとく回転不足と判定されるなど、思い描いた演技ができずにシビアな評価に泣き、得点が伸び悩んで表彰台争いの一角にも顔を出せなかった。その後も、得点源のジャンプが弱点となって不本意な結果が続いている。
 
 シニア4年目を迎えた本田も19歳の大学1年生になり、今季は練習拠点を日本にも置いて、往年のジャンパーとして一時代を築いたソルトレークシティ五輪4位の本田武史コーチに指導を仰いで、最重要課題のジャンプ修正に取り組んできたはずだったが、その練習の成果はシーズン直前の練習中に負った右肩脱臼のけがで出せていないのが現状だ。

 ほとんどジャンプを跳べない状態から本格的にジャンプ練習を再開できたのは10月半ばから。11月上旬に行われた東日本選手権では何とか難易度の高い種類のジャンプを跳べるまでレベルを戻して出場した。それでも、シニアデビュー時から課題となっているジャンプの回転不足を露呈。難易度を落とした東京選手権ではなかったが、東日本選手権やNHK杯では回転不足やダウングレードの判定などがほぼ全てのジャンプで見られ、得点の伸び悩みにつながった。