格闘技・プロレス

夢の対戦が実現する武尊と那須川天心が、同じ日、同じ場所で語った共通の“死生観”とは?

THE DIGEST編集部

2021.01.01

那須川(左)と武尊(右)の試合がいよいよ実現に向けて動き出したが、2人は別のタイミングで共通の言葉を口にした…。写真:THE DIGEST

 12月31日にさいたまスーパーアリーナにて『Yogibo presents RIZIN.26』開催された。この日のセミメインとなる那須川天心vsクマンドーイ・ペットジャルーンウィットの戦前に、会場がざわめくハプニングが起きた。

 K-1、3回級世界王者のエース武尊がこの試合を観るためにリングサイドの観客席へ登場。天心と武尊はキックボクシング界最後のドリームマッチと言われており、K-1の壁がネックと言われていたため、武尊がこういったアクションを起こすのは初めてのこと。

 試合後は天心が「今日、会場に武尊選手、来てくれて本当にありがとうございます。ホント何も決まってないんですけど、一緒に格闘技を盛り上げましょう」とリングサイドの武尊に呼びかけると、武尊は黙ってうなずいた。
 
「会って、目を見てしゃべって、さらに戦いたいと思った」という武尊と、「長い長い時間をかけて一歩前進した」という天心。2人の試合は当人同士だけでなく、誰もが待ち望んでいたといえるが、別々に訪れた記者会見で2人は期せずして共通の"死生観"を語った。
 
「(天心との試合を)希望する時期はあるか?」という問いに、武尊は「1月24日にK-1でタイトルマッチが決まっているので、まずその試合を勝たないと次はないと思っているし、勝った後にその時期とかは決まってくるので今は何も言えない。僕は試合で死ぬかもしれないし、命がそこで終わる可能性があると思って試合をやっていて、僕は試合後の予定はいつも入れていないんで。試合で勝ってその後にまた話していけたらいいと思っている」と答えた。

 一方、天心は「この後、何がしたいか?」という問いに「僕試合の後ってあんまり予定入れないんですよ。もしかしたら明日死ぬかもしれないと思うと予定立てられないんで。だから試合後、結構空いていて、寂しいです」という。

 格闘家ならではの考え方ともいえるが、同じ日に同じ場所で共通の考えを話す2人に、ただならぬ縁を感じずにはいられない。

構成●THE DIGEST編集部