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マラソン・駅伝

「タイムで走るんじゃなくて人が走る」でサプライズを巻き起こした創価大の強さとは?

酒井政人

2021.01.11

箱根駅伝で準優勝に輝いた創価大の選手たち。左から石津佳晃(9区)、嶋津雄大(4区)、三上雄太(5区)。写真:JMPA

箱根駅伝で準優勝に輝いた創価大の選手たち。左から石津佳晃(9区)、嶋津雄大(4区)、三上雄太(5区)。写真:JMPA

 正月の箱根駅伝で世間を驚かせたのが創価大だ。残り2㎞で駒大に大逆転を許したとはいえ、4区でトップに立つと、その後は143㎞以上を独走。4回目の出場で準優勝に輝いた。誰も予想しなかった創価大の急浮上。そのなかで就任2年目の榎木和貴監督はチームの躍進を確信していた。

 箱根駅伝の最高順位は前回の9位。出雲駅伝と全日本大学駅伝には一度も出場していない。学生駅伝のキャリアに乏しいチームだが、今季は「箱根3位」という目標を掲げて取り組んできた。

「メディアからすれば創価大はノーマークだったと思います。ただ私が就任して、チームは着実に変わってきました。夏合宿と秋の試合でも前年以上の成長が見られましたし、チーム目標に向かって選手たちがひたむきに努力してくれたかなと思います。このチームだったら目標を達成できると感じていましたし、私が自信をなくすと、選手にも影響します。私は『絶対にいける』という声掛けをしてきました」

 学生駅伝の実績だけでなく、トラックでも創価大は強豪校ほどのタイムを残していなかった。箱根駅伝エントリー上位10人の10000m平均タイムは駒澤大が史上最速となる28分26秒81でトップ。一方の創価大は29分05秒37で13番目だった。

 それでも創価大は大舞台で堂々としたレース運びを見せる。榎木監督の「タイムで走るんじゃなくて人が走る」という指導が選手たちに魔法をかけた。
 
 ナイキの厚底シューズと高速スパイクの影響もあり、10000mのタイムは急上昇している。しかし、「タイムが上がった」=「走力が上がっている」というわけではない。ギアの進化、気象条件、レース状況によってタイムは変わってくるからだ。

 日本人は数字の“トリック”に翻弄されやすい。自分よりも好タイムを持つ選手に対して恐怖心を抱いてしまう選手は少なくないが、榎木監督には独自の哲学があった。

「10000m27分台の選手だから勝てないのではなく、その場にいる選手が走るわけだから、自分の走りに徹すれば27分台の選手にも勝てるチャンスがあるよ、ということを言い続けてきました。1~9区までの選手は、そういう走りをしてくれたかなと思います」
 

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