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モータースポーツ

今年もメルセデスが強さを見せるか?ホンダのラストイヤー、アロンソの復帰にも期待!【F1展望前編】

甘利隆

2021.01.24

契約交渉が難航していると言われているが、ハミルトン(左)のメルセデスからの参戦はほぼ間違いないだろう。ホンダのラストイヤーはフェルスタッペンが背負う(右)(C)Getty Images

契約交渉が難航していると言われているが、ハミルトン(左)のメルセデスからの参戦はほぼ間違いないだろう。ホンダのラストイヤーはフェルスタッペンが背負う(右)(C)Getty Images

 2021年のF1・開幕戦、バーレーンGPまでおよそ2カ月。新型コロナウイルスによる経済的影響でプレシーズンテストの日数が前年の6日から3日に半減し、例年2月後半から2回にわたって行なわれるテストの回数も開幕を2週間前に控えた時期の1回のみとなった。

 ルイス・ハミルトンがいまだに契約を延長せず、不確定な要素もあるが、現状の情報を元に2021年シーズンのラインナップを2回に分けて考察してみたい。

【メルセデスAMG・ペトロナス・F1】
#44 ルイス・ハミルトン(?)
#77 バルテリ・ボッタス

 年間4,000万ユーロ(約50億円)+ボーナスの長期契約を望むルイス・ハミルトンとの契約交渉が難航しているといわれているが、2021年もハミルトンとバルテリ・ボッタスのコンビでおそらく参戦することになるだろう。

 2020年に効果を発揮した2つのステアリング軸を持つ『DAS(Dual Axis Steering)』システムが使えなくなるなど、全く不安要素が無い訳ではないが、今シーズンもメルセデス優位は揺るがない。

 すでに95勝を挙げているハミルトンが、自身の持つ最多勝記録をさらに伸ばして通算100勝の大台に乗せ、ミハエル・シューマッハと現在並んでいる最多タイの7回を超える8回目の王座に就く可能性はかなり高い。

 一方、在籍5年目となるボッタスにとっては正念場の1年となる。昨季2勝を挙げ、ランキング2位は守ったが、COVID-19に罹患したハミルトンの代役でサヒールGPに出走した、メルセデス育成ドライバーのジョージ・ラッセルが優勝目前の走りを見せるなど、尻に火がついた状態だけにディフェンディングチャンピオンにどこまで対抗できるかに今後のキャリアがかかっている。
 
【レッドブル・レーシング・ホンダ】
#11 セルジオ・ペレス
#33 マックス・フェルスタッペン

 メルセデスとホンダのパワーユニットには20~30馬力の差があるとされ、RB16のリアエンドの挙動がセンシティブだったこともあり、去年もランキング3位とメルセデス勢の後塵を拝したが、やはり打倒ハミルトンの最右翼といえるのは、ホンダ陣営のエース、マックス・フェルスタッペンだろう。

 テクニカルディレクターのエイドリアン・ニューウェイは、ニューマシン、RB16Bのリアウィング支持方法、ディフューザーのデザインに影響を及ぼすギアボックスケースの形状に大きく手を入れ、F1ラストシーズンに懸けるホンダも有終の美を飾るべく、燃効率のさらなる向上やエレクトロニクスコンポーネントの見直しに取り組んでいるという。

 注目されたもう1人のドライバーは、メキシコ出身のベテラン、セルジオ・ペレスに落ち着いた。2020年はシーズン半ば、新型コロナウイルスに感染して2戦を欠場。その後、実力以外の要素により翌シーズンのシートを失う形となり、不運が続いたが、終盤のサヒールGPで優勝してから流れが変わってきた。レーシング・ポイント時代にはメルセデスのパワーユニットで走っており、そのノウハウをもたらすことも期待されての起用のようだ。

 なお、昨年までのレギュラードライバー、アレクサンダー・アルボンはリザーブに回り、DTM(ドイツツーリングカー選手権)に参戦する模様だ。
 

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