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【AJCC】快勝のアリストテレスは天皇賞(春)へ視界良好!ルメール騎手も手応え「GⅠを勝てるチャンスがある」

三好達彦

2021.01.25

アリストテレスは悪い馬場状態を苦にせず人気に応えた。写真:産経新聞社

アリストテレスは悪い馬場状態を苦にせず人気に応えた。写真:産経新聞社

 1月24日、古馬中長距離路線の重要なプレップレースであるアメリカジョッキークラブカップ(GⅡ、中山・芝2200m)が行われ、単勝1番人気に推されたアリストテレス(牡4歳/栗東・音無秀孝厩舎)が厚い支持に応えて優勝を飾った。2着には半馬身差で3番人気のヴェルトライゼンデ(牡4歳/栗東・池江泰寿厩舎)が入り、後方から追い込んだ6番人気のラストドラフト(牡5歳/美浦・戸田博文厩舎)が3着に食い込んだ。

 前日から降り続いた雨の影響で、馬場状態は悪化の一途をたどって「不良」に。水が浮くほどではないが、馬のキックバックで大きな土の塊が高く舞い上がるようなタフなコンディションとなった。

 不良馬場のもとで行われた13年の菊花賞(GⅠ)で2着を5馬身も千切って勝利を収めたエピファネイアの仔だけはあるということか。アリストテレスはスタミナや忍耐が問われるヘヴィな馬場状態をものともせず、追いすがるヴェルトライゼンデを振り切って収めた勝利の価値はかなり高い。

 手綱をとったクリストフ・ルメール騎手は、「すべての馬にとって今日の馬場コンディションは難しく、重い馬場(をこなせる)血統が大事だったと思います。4コーナーでの手応えがよかったので勝てると思いましたが、先頭に立ってから直線は長く感じました」とコメント。アリストテレスが血統的に道悪への対応力が高いことを認めつつ、「今日はトップコンディションでなかったのにGⅡを勝てたので、もっと良くなればGⅠを勝てるチャンスがあると思います」と、愛馬にさらなる期待を寄せた。
 
 音無秀孝調教師も、地力の違いで勝ったものの、中身はまだまだとしつつも、「春の目標は天皇賞(GⅠ、阪神・芝3200m)。それまでに阪神大賞典(GⅡ、阪神・芝3000m)か日経賞(中山・芝2500m)を挟んで臨むことになると思います」と、こちらも今後の状態アップを期待するコメントを残した。

 ヴェルトライゼンデは、敗れこそしたものの、日本ダービー(GⅠ)で3着に入った力をあらためて示した。こちらも道悪はこなせるタイプだと思われたが、池添謙一騎手は「きょうは馬場適性の差が出たと思いますが、よく頑張ってくれました」と、良馬場ならばさらに前進が可能であることをにおわせていた。

 前年に続いて本レースを連続3着としたラストドラフトは、勝ったアリストテレスとは0秒1差と健闘。混戦で浮上するタイプであり、今後もマークが必要な存在だろう。

 逆に期待を大きく裏切ったのは、2番人気に推されたサトノフラッグ(牡4歳/美浦・国枝栄厩舎)。重馬場だった昨年の弥生賞(GⅡ)を勝った実績があるように、タフなコンディションを苦手にするとは思えなかったが、鞍上の戸崎圭太騎手は前走比+10㎏の馬体重を指してか、まだ体に余裕があったのかもしれないと落胆した様子を見せたという。天皇賞(春)へと駒を進めるならば、ステップとするレースでの走りをいま一度見定めたい。

文●三好達彦

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