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【共同通信杯】実績抜群のステラヴェローチェが主役も、キングストンボーイ、シャフリヤールに妙味

三好達彦

2021.02.13

サウジアラビアロイヤルCにて重賞初制覇した、実力派のステラヴェローチェ。写真:産経新聞社

サウジアラビアロイヤルCにて重賞初制覇した、実力派のステラヴェローチェ。写真:産経新聞社

 今週取り上げるのは、クラシックに直結する3歳重賞の共同通信杯(GⅢ、東京・芝1800m)。近10年を見ても、ゴールドシップ、ディープブリランテ、ドゥラメンテなどのクラシックホースがここをジャンピングボードとした重要レースだ。

 今年は重賞ウイナーは1頭のみで、他はここで賞金を上積みして皐月賞出走を目指す厩舎期待の1、2勝馬が顔を揃えた。その勢力図を見ていきたい。

 ただ1頭、図抜けた実績を残しているのはステラヴェローチェ(牡3歳/栗東・須貝尚介厩舎)である。稍重の新馬戦を勝ち上がると、不良馬場になったサウジアラビアカップ(GⅢ、東京・芝1600m)では後続を3馬身突き放して圧勝。次いで臨んだ朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ、阪神・芝1600m)は鋭い末脚を繰り出して、勝ったグレナディアガーズの3/4馬身差に迫る2着に入った。タイムの1分34秒2も秀逸で、良馬場のスピード勝負にも、道悪のタフな馬場もこなせる高い能力を見せつけている。父はクロノジェネシスの活躍で名を上げたバゴで、200m程度の距離延長なら問題ないはず。GⅢの舞台で主役と目されるのは必然ともいえる存在だ。

 3頭いる2勝馬のなかで、もっとも注目を集めそうなのはエピファネイア産駒のエフフォーリア(牡3歳/美浦・鹿戸雄一厩舎)だろう。札幌で芝2000mの新馬戦を快勝すると、次走の1勝クラスの百日草特別(東京・芝2000m)では出遅れながら上がり33秒4という強烈な決め脚をみせて差し切り勝ち。その後は休養に充てていたが、追い切りの動きは絶好で、さらなる前進が見込めそう。昨年、最年少で関東リーディングジョッキーとなった横山武史騎手の手綱さばきにも注目したい1頭である。
 
 名門厩舎が送り込んでくるのがドゥラメンテの仔で、皐月賞馬エポカドーロの半弟となるキングストンボーイ(牡3歳/美浦・藤沢和雄厩舎)。昨夏の札幌で新馬戦(芝1800m)を勝ち、サウジアラビアカップを5着に敗れたのち、1勝クラスのベゴニア賞(東京・芝1600m)で2勝目を挙げた。サウジアラビアカップの敗戦は不良馬場が影響した可能性が高く、良馬場なら人気上位馬との差はほとんどないと考えられる。勝ちタイムが遅いことからさほど人気を集めそうにないが、逆に馬券的には魅力が十分。ここで狙ってみる価値はある。

 1戦1勝組からピックアップしたいのは、ディープインパクト産駒のシャフリヤール(牡3歳/栗東・藤原英昭厩舎)、ロードカナロア産駒のディオスバリエンテ(牡3歳/美浦・堀宣行厩舎)の2頭。両馬とも派手な勝ち方はしていないが、前者は皐月賞と大阪杯(ともにGⅠ)を制したアルアインの全弟、後者は重賞3勝を挙げたディアデラマドレの半弟という血統が魅力的。現役屈指のトップトレーナーの手になる良血馬という面からも目を離せないだろう。ちなみに筆者は、好成績を残す藤原英昭調教師+福永祐一騎手のコンビで臨むシャフリヤールにより魅力を感じている。

 その他では、紅一点参戦してきた末脚自慢のレフトゥバーズ(牝3歳/美浦・萩原清厩舎)、重賞で4、5着と堅実に駆けているプラチナトレジャー(牡3歳/美浦・国枝栄厩舎)にも目を配っておきたい。

文●三好達彦

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